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SUPER FORMULA Rd2 OKAYAMA 2015年5月23日 <予選>

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予選  ▶ 決勝
天候:曇り | コース状況:ドライ
#38 石浦 宏明 1位 / #39 国本 雄資 16位

 国内トップフォーミュラは7年ぶりという岡山国際サーキットで、P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明が、自身初となるポールポジションを獲得した。

 岡山国際サーキットは、かつてはF1パシフィックグランプリも開催された伝統あるサーキットだ。2007年、2008年とスーパーフォーミュラの前身であるフォーミュラ・ニッポンも開催されてきたが、ここ数年はSUPER GTの開幕戦で盛り上がりを見せるものの、国内トップフォーミュラでのレースは開催が見送られてきた。7年の月日は、マシンを見違えるほどに進化させる。当時のフォーミュラ・ニッポンマシンでのコースレコードタイムは1分15秒808。しかし、シーズンオフに行われた合同テストでこのタイムは悠々と塗り替えられている。石浦宏明はこのテストで総合3番手を記録。タイムという結果だけでなく、石浦自身もサーキットとの相性の好さを自負しており、ポールポジションへの期待を高めつつレースウィークに臨むこととなった。

 まずは、レースウィークを占ううえで重要な、予選日のフリー走行から始まった。石浦は2~3周をまわってピットへ戻る、という繰り返しの中で、5番手から8番手といった中団あたりのタイムを記録。この時点では、トップタイムも1分15秒を切る程度のもので、ライバル勢もまだタイムアタックには出ていなかった。セッションの終盤5分を境に、次々と予選シミュレーションに入っていく。石浦もその中でタイムアタックに出ると、1分14秒001でトップに立った。最終的には1台が石浦のタイムを上回ったためリザルトとしては2番手となったが、石浦としては結果以上に手ごたえをつかんだ1時間となった。今シーズンは、1レースで使用できる新品タイヤの数が3本に減ることになり、予選の3セッションに新品タイヤを投入するためには、このフリー走行はユーズドタイヤでクルマのフィーリングを確かめることになる。新品タイヤとユーズドタイヤのグリップの違いをイメージしながら、予選に向けたクルマ作りをするのは非常に難しい作業になるが、のちに記者会見で、「エンジニアがしっかりと走行メニューを作ってくれたおかげで、内容の濃い1時間になりました」と語った通り、予選に向けたクルマ作りは順調そのものだった。

 公式予選のQ1は、定刻通りの13時40分にスタート。まずはユーズドタイヤで路面とマシンとのマッチングを確認すると、残り時間6分を切ったところでいよいよタイムアタックの応酬が始まった。石浦は、コースがコンパクトで距離の短い岡山でクリアラップを取るべく、周囲とタイミングを変えてコースへと出ていくと、計測3周目で1分13秒347というタイムをマークして3番手に立つ。その後2台が石浦のタイムを上回ったが、5番手でQ1を通過し、Q2に駒を進めることに成功した。

 10分のインターバルを挟んで始まったQ2は、残り時間1分半というところでセッションが赤旗中断される波乱の展開となる。残り時間が2分半に延長されて再開されると、石浦は小林可夢偉選手に続いて2番目にコースイン。Q1ではタイヤのウォームアップに2周を使ってのアタックができていたが、このQ2ではコースインラップを終えてすぐにアタックに入らなければならなかった。タイムを出すには非常に厳しい条件の中、石浦は1分13秒135と、Q1から0.2秒タイムを縮めることに成功し、3番手でQ2をクリアした。

 「Q2からQ3にかけてのタイムの縮め幅の小ささが課題だった」と話す石浦。しかし、今回の石浦はその課題を見事に克服して見せた。コースインラップの後、2周をかけて丁寧にタイヤを温めると、1分12秒429という驚異のタイムをたたき出す。当然これがトップタイムとなり、石浦の名前がタイミングモニターの一番上に表示された。石浦の後にアタックをかけていたドライバーは2名。その2名ともが石浦のタイムにわずかに届かず、P.MU/CERUMO・INGINGで2年目となったシーズンで、ついに念願のポールポジションを獲得した。もちろん、ポールポジションは優勝への過程であり、この週末の最終目標は決勝レースで達成される。しかし、その優勝に一番近いスタート位置を獲得できたことは、石浦にとっても、またチームにとっても非常にモチベーションの高まる結果だ。

 いっぽうの国本は、午前中のフリー走行では9番手とまずまずの結果だったものの、予選ではまさかのQ1敗退となった。開幕戦鈴鹿ラウンドからタイムの伸び悩みが続く国本だが、早い段階でこの状況を打破するためにも、決勝ではこの先のシーズンも見据えたトライを組み込む予定だ。明日の決勝では結果もさることながら、国本にとってはどんな走りを見せられたか、という部分が今後に向けて重要な意味を持ってくることとなる。

 

2015年SUPER FORMULA Round2 予選ドライバー/#38 石浦 宏明

 「開幕前のテストでは調子よくいっていたのですが、その時と比べ今回は気温も上がっていたり風向きも逆だったりとコンディションが違っていたことで、僕のフィーリングも変わっていました。さらに、今回はニュータイヤが3セットしかないのでフリー走行で使えない。どのポイントがいけないのか、正確には分からない状況でフリーが終わってしまいました。修正しなければいけないところはあるかなと思っていましたが、同時に、予選でニュータイヤを履けば解決できる部分もあると思ってもいました。実際に予選でニュータイヤを履いて、ようやくちゃんとしたクルマのバランスが分かったような感じだったので、そこから少しずつクルマをアジャストしていきました。その結果としてQ1からQ2、Q3とポジションが上がったので、良かったんだと思います。ただまだ、完璧ではないというか、気持ち良く走れない部分もあって、そこは何かで直したいところです。ドライビングについても、Q3ではセクター1であまり速いタイムではなかった。それをまとめきれていたら、もう少し上に行けたかもしれません。しかし、予選全体を通して調子が上向きに進んでいった間隔はあるので、そういう意味ではフリー走行が終わった後の不安感はだいぶなくなりました。決勝に向けても楽しみにしています」

 

2015年SUPER FORMULA	Round2 予選ドライバー/#39 国本 雄資

 「午前中は、クルマのバランスもあまり良くなかったし、実は1セット目のタイヤでフラットスポットを作って壊してしまい、予定より早めに2セット目を履かなければならなくなるなど、あまりいい流れではなかったんです。そこからクルマの方でもいろいろと変更して予選に臨みました。そのアジャストはいい方向に向かいましたが、ちょっとピーキーになりすぎた部分もあって。Q3ではデグナーの2つ目で挙動を乱してしまいました。8番手という結果に、もちろん満足などしていません。僕たちはポールポジションを獲って優勝しなきゃいけないと思っているし、それぐらいのチーム力もあると思っています。明日はまずスタートを決めたいですね。去年の開幕戦はオーバーテイクもできましたし、今年は(オーバーテイク)システムが少し強力になったので、去年以上にチャンスがあると思っています。絶対に、今以上のポジションでゴールできるようにしたいです」

2015年SUPER FORMULA Round2 予選監督/立川 祐路

「38号車、39号車ともにテストから調子が良かったのですが、レースウィークに入り、フリー走行が始まると、思っていたよりも2台ともバランスが悪く、予選に向けても厳しい事態を予感していました。そんな中で、予選までにチームとしてクルマをアジャストしたところ、いい方向へ持って行くことができました。Q3まで2人とも進んでくれましたが、当初はそれも厳しいかと覚悟していました。結果的に、38号車は4番手。表彰台はもちろん優勝も狙える位置からのスタートになったことは、まずまずかなと思います。明日、もう少しいい戦いができるよう期待したいですね。

一方の39号車ですが、こちらの調子も非常に良く、もっと前のポジションに行ける予感があったのですが。クラッシュしてしまいました。これに関してはチーム側の不手際もあり、国本の責任ではないのです。ポテンシャルは感じられたので、予選でそれを発揮できなかったのは残念ですが、明日どれだけ挽回できるかに期待します。作戦面としても、ピットストップが重要になってくるかもしれません。練習は日ごろから重ねていますが本番は久々ですし、ミスなくきちんとこなせるようにして、2台揃って上位でゴールできるように頑張ります」

RACE CALENDER

  • ▶ R1 SUZUKA 4/18-19
     
  • ▶ R2 OKAYAMA 5/23-24
     
  • ▶ R3 FUJI 7/18-19
     
  • ▶ R4 MOTEGI 8/22-23
     
  • ▶ R5 AUTOPOLIS 9/12-13
     
  • ▶ R6 SUGO 10/17-18
     
  • ▶ R7 SUZUKA 11/7-8
     
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