INGING MOTORSPORT

FORMULA NIPPON 2012年4月14日 <予選>

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予選  ▶ 決勝
天候:晴れ | コース状況:ドライ
公式予選総合結果
#38 平手 晃平 12位/#39 国本 雄資 10位

2012年Round1 公式予選 いよいよ迎えた今シーズンの全日本選手権フォーミュラ・ニッポン開幕ラウンド。今年も国内最高峰を戦うProject μ/CERUMO・INGINGは、昨年ルーキーながら印象的な走りを見せて終盤に大きな成長を遂げた国本雄資を再び走らせるとともに、そのチームメイトとしてFニッポンでの優勝経験を持つ平手晃平を迎え大きくパワーアップ。チームとして久々の2台体制で激戦のFニッポンを戦うこととなった。

 オフシーズンの間、テスト走行などを経てレベルアップしてきた今季のProject μ/CERUMO・INGINGは、平手、国本のドライバーコンビとともに4月13日、開幕戦の舞台となる鈴鹿サーキットに乗り込んだ。通常ならば2デー開催のため金曜のこの日は単なる搬入日扱いだが、今回は午後4時から1時間半の公式合同テストセッションが盛り込まれているため、チームは夕方までに急ピッチで準備を整えることに。その甲斐あって、大きなトラブルもなく走行を行った2台は、国本が1分40秒167の8番手、平手が1分40秒531の11番手というポジションでチェッカー。セッション終盤には雨が降り始めるなど残念ながらコンディションは良好とは行かなかったが、明日の公式予選に向け、チーム全員が充分なウォームアップを終えることが出来たのだった。

 明けて土曜の鈴鹿は、金曜夕方から断続的に降り続いた雨が残りウエットコンディションに。Project μ/CERUMO・INGINGの38号車・平手と39号車・国本は、レインタイヤを装着し午前9時05分からのフリー走行に臨んだ。

 ピット出口のシグナルがブルーになると同時にコースインした国本は、いきなり連続周回に。一方の平手は、ほどなくしてコースインもコース、マシンチェックを済ませるといったんピットに戻る。この間、走行を続けた国本は、1分55秒245にまでタイムを上げ、ピットへ帰還する。

 気温13度、路面温度14度という肌寒い雨の中、コースに戻った平手は1分53秒992にまでタイムを上げ、この時点で5番手に。さらに平手は1分52秒996へとタイムアップも、ライバル達もタイムを上げて来たことでポジション的には7番手あたりに留まるが、国本とともに2台はピットイン&アウトを繰り返しながらセットアップを煮詰めて行く。

 途中、雨量が変化するなどややトリッキーなコンディションとなる中、国本は午前9時46分にマークした1分51秒336、平手はチェッカー提示後のファイナルラップにたたき出した1分50秒632がそれぞれベストタイムとなった結果、平手10番手、国本12番手というポジションでこのセッションは終了することとなった。

 終始レインタイヤでの走行となったフリー走行。しかしながら、予報どおり昼過ぎに雨は上がってしまい、午後2時からの公式予選のスタートを前に路面は急速に乾き始める。

 眩しい日差しが照り付ける中、午後2時のオンタイムにスタートしたノックアウト方式の公式予選は気温16度、路面温度19度というコンディションに。しかし、路面コンディションは完全なドライとはならず、主催者はWET宣言を出すことに。しかし3台ほどのマシンがレインタイヤでコースインするも、Project μ/CERUMO・INGINGの2台は最初からドライタイヤを装着。上位13台が勝ち抜けとなる20分間のQ1セッションの開始と同時に国本はコースイン、平手は約1分ほど後のピットアウトとなった。

 まずは平手が開始7分のところで1分46秒949としてその時点での6番手につけると、その1分後には国本が1分42秒807をマークして4番手に。周囲のドライバーのタイムもどんどんレベルアップして行く中、とりあえずのタイム計測をした2台は相次いでピットへ。しかし、この最初のアタックでマシンバランスにさらなる改善の必要を感じたチームは、ドライバーたちからのフィードバックを元に2台のマシンにセットアップ修正を加えることに。

2012年ROUND1 公式予選 フリー走行でドライタイヤを使用しなかったこともあり、ライバル陣営同様2セット目のニュータイヤを装着することとなった平手と国本は、再びコースイン。この時点で国本は9番手、平手は15番手。Q1セッションは既に残り10分を切っている。

 ピットアウト後、早々にタイヤを温めた国本は、午後2時16分に1分42秒434にタイムを上げ7番手に。さらに続く平手が1分42秒275で6番手に飛び込み、ここでProject μ/CERUMO・INGINGの2台はQ1通過エリアに浮上を果たす。

 さらに翌周、国本は1分41秒613に、1周クールダウンを挟んだ平手はその翌週に1分41秒408にタイムアップ。国本はチェッカーが出された直後のファイナルラップに、さらに1分41秒205をたたき出し、10番手にポジションアップ。ライバル達のタイムアップが相次ぎ、最終的12番手となった平手とともに、Project μ/CERUMO・INGINGは2台そろってQ1突破を決めることとなった。

 そして10分後、午後2時30分にQ1を通過した13台のマシンが8枚のQ3への切符を争うQ2セッションが始まった。20分間だったQ1とは異なり、Q2はわずか7分間の短期決戦だ。

 再びニュータイヤを装着した平手、国本は、セッション開始を合図にピットアウト。まずは国本は全体の6番目、平手はやや遅れて11番目にタイム計測に入った。

 3周目、国本は1分40秒397をマークして5番手に。平手はまだ1分41秒275の11番手。しかし、短いセッションは既に最終局面に。午後2時37分、あっという間のQ2終了を告げるチェッカーがタワーから振り下ろされる。国本はタイムアップならず10番手、平手はファイナルラップに1分40秒903にタイムを上げたものの12番手と、終わってみればProject μ/CERUMO・INGINGの2台は無念のQ2落ちという結果に。国本にいたっては、Q3進出圏内の8番手とのタイム差は、コンマ1秒という僅差。改めて国内最高峰の戦いの厳しさを垣間みる予選となってしまったが、決勝での平手、国本の追い上げ劇を期待したい。

ドライバー/#38 平手 晃平

 「最後のテストの後、エンジニアと相談したりしていくつか持込みのセットアップを変えて来たのですが、金曜の走行でそれがいまひとつなことが分かったのでその対処をして今日を迎えました。しかし朝のフリー走行が雨になったことで、その状態が良いのかどうかをしっかり確認出来ないまま、予選に臨んでしまった感じですね。ドライで走ってみて、それほどバランスが悪い感じはなかったんですが、僅差の予選を勝ち抜くほどには煮詰め切れていなかったのかもしれません。セクター1などではクルマ的にちょっと飛び込めないような、リヤが気になるような状態だったのでQ2で落ちてしまったことは自分の中では悔しいですね。明日はこのチームで初めての決勝レースですが、村田エンジニアとはずっとやって来ましたし、とにかく1ポイントでも多く獲得出来るよう頑張ります」

ドライバー/#39 国本 雄資

 「予選では路面がどんどん変わって行く中で、Q1では最後のアタックで好転して行く路面でうまくタイムが出せたと思います。Q2でもそうしたかったんですけれど、路面状況をうまく把握し切れずちょっと行き切れない部分もあったし、逆に行き過ぎてしまう部分もあって。うまくまとめていればQ3に行けていたと思いますし、ちょっと悔しいですね。けれど、金曜の合同テストでは中古タイヤで良い感じで走れていたので、決勝では追い上げられると思いますし、去年よりもレースラップには自信がありますから、まずは開幕戦でしっかりレースをしてポイントを獲りたいですね」

監督/立川 祐路

 「平手を新たに迎えたことで、チームとしてデータ量も2倍に増えたし、オフのテストから良い意味で2台が相乗効果を発揮する形で開幕戦に向けて準備を整えることが出来たと思います。今日の予選では残念ながら2台ともQ3に進出出来ませんでしたが、今年はトップチームとの差は縮まっているという感触がありますし、国本は前日中古タイヤでのペースが非常に良かったので決勝に向け不安はありません。もちろん、今日は少しドタバタしてしまった感のある平手も、明日までにしっかり修正してくれると思いますので、2台ともに期待しています。レギュレーションの変更で今季は決勝中の戦略面など自由度が少なくなっていますが、しっかりチームとして出来るバックアップをした上で、ドライバーふたりに頑張ってもらいたいと思います」

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