GT300#51 Rd4 SUGO 2017年7月23日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:雨 | コース状況:ウェット
- 決勝
- #51 JMS P.MU LMcorsa RCF GT3 中山雄一・坪井翔 13位
-
約2ヶ月ぶりの開催となったAUTOBACS SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」。JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、56kgのウエイトを積みながらも予選Q1を坪井翔が5位で突破し、予選Q2で中山雄一が7位のタイムを記録し、決勝レースは7番グリッドからスタートすることになった。
23日(日)の決勝日は、梅雨が明けていない東北地方ということもあり事前の天気予報通りに朝から小雨が降る状況となる。ときより大粒の雨がコースを濡らすこともあり、今シーズン初のウェットコンディションでの決勝レースを迎えた。決勝レース前に予定されたウォームアップ走行のころには雨は小康状態となったが、路面はウェットのまま変わらず。20分間のウォームアップ走行は、まず中山が乗り込みレインタイヤの選択を行う。その後ドライバー交代の練習も兼ねて坪井も1周のみ走行だったがマシンの状況を確認した。
ピットスタートの1台を除いた44台のマシンがグリッドに揃ったころには雨が止んでいて路面が乾いていくかと思われ、スターティンググリッド上で一度はレインタイヤからスリックタイヤに交換したが、スタート直前になって雨が降り出したため、チームはレインタイヤでのスタートを決断する。
決勝レースは、予定時刻の14時30分に宮城県警のパトカー先導によるパレードランが行われ、その後に1周のフォーメーションラップを経てローリングスタートが切られた。スタート直後こそタイヤが温まらずに苦戦したが、3周目には5番手までポジションを上げる。その後、5周のセーフティーカーランを挟み、10周目以降は25号車(VivaC 86 MC)、65号車(LEON CVSTOS AMG)と2番手争いを展開。22周目にはホームストレートで25号車に並び掛けて、1コーナーでパスし2番手へ浮上する。65号車はJMS P.MU LMcorsa RC F GT3よりペースが速く追い詰めるまでにはいかないが、中盤まで単独で2番手をキープ。しかし、38周目に2回目のセーフティーカーが入り3番手以降に築いていたギャップを失ってしまう。クラッシュ車両が排除され44周目にレースがリスタートすると、55号車(ARTA BMW M6 GT3)がJMS P.MU LMcorsa RC F GT3の後方に迫り、翌周の1コーナーで55号車がアウトサイドから並び掛けると、2台は接触してしまう。この接触により左リアタイヤがバーストするとともにアライメントも狂ってしまった。チームはピットインを指示するが、接触した周に3回目のセーフティーカーが入る不運に見舞われる。規則によりセーフティーカーラン中はピットインができない。そのためJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、スローパンクチャーした状態で5周を走り続けて、セーフティーカーが退出した51周目にピットイン。中山から坪井にドライバーチェンジするととともにタイヤをレインからスリックに交換した。
JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は9番手でレースに復帰する。先ほどの接触によって右コーナーが曲がりづらくなり、直進安定性を失ったマシンながらも坪井は懸命にポジションキープを図る。手負いの状態ながらも67周目にはレース中のベストラップとなる1分21秒593をマークし、先行車を必死に追いかける。そして69周目には8番手にポジションをアップさせ、そのままの順位で77周のレースを終えた。だが、中山が走行していた際にセーフティーカー走行時の追い抜きがあったためペナルティを課せられてしまう。このためゴールした走行時間に47秒が加算され、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は13位という結果に終わった。
開幕戦からポイントを重ねていたJMS P.MU LMcorsa RC F GT3だが、不慮の接触やピットインのタイミングという不運に見舞われ、初のポイント圏外でのフィニッシュとなった。次戦の「FUJI GT 300km RACE」までには2週間という短い期間しかないが、チームは立て直しを図ってシリーズランキング争いに挑む。
ドライバー/中山雄一
レース開始直後はタイヤに熱が入らなかったのですが、その後はグリップも高く2番手までポジションをアップすることができました。65号車は同じブリヂストンタイヤだったのですが、ペースが速くて追いつけませんでした。それでも2番手で周回してピットインのタイミングを見計らっていたら55号車と1コーナーで接触しました。左リアタイヤがバーストした状態でセーフティーカーランを走行し、その直後にピットインしました。今回はセーフティーカーが3回も入り、ピットインのタイミングが勝敗を分けるギャンブル的なレースでした。そんな難しいレースでもポイントを取らなければならなかったのですが、ノーポイントに終わり残念です。
ドライバー/坪井翔
55号車と接触した後に中山選手からマシンを託されたので、マシンは厳しい状況でした。真っ直ぐ走ることもできませんでしたし、左側のアライメントがおかしかったので、特に右コーナーが辛かったです。いつスピンしても不思議ではないマシンコンディションだったので、チェッカーを受けることができたのは良かったです。予選では、重いハンデウエイトを積んでいるわりには速かったと思います。ウエイトに合わせてしっかりとしたセットアップが出来ていました。着実なレースを展開していれば表彰台やポイント獲得も可能だったはずなので、13位という結果は不本意です。
監督/影山正彦
チームの目標は、ミスなく走り切ってできる限りのポイントを獲得することでした。しかし、13位という結果となり厳しい戦いとなりました。スタートを担当した中山選手は、想像以上のハイペースで走ってくれて2位まで順位を押し上げてくれたのですが、中盤に55号車と接触したことで戦略が狂いました。接触の直後にセーフティーカーが入ったので、トップとのギャップも拡がりませんでしたが、すぐにピットインできなかったのが痛かったです。坪井選手も手負いの状態ながらも良く走ったと思います。
エンジニア/松岡真司
接触によってすべてのプランが崩れてしまいました。ブリヂストンのレインタイヤが良かったこともあり、中山選手のスティントで2番手まで浮上しました。接触がなければピットインのタイミングをもっと伸ばせたはずですし、戦略も変わっていたと思います。坪井選手もアライメントが狂っていた状態にしてはポジションキープしてくれましたが、通常ならば1秒は速く走れていたはずなので惜しかったです。ウエイトハンデが重い状況ですが予選でも速さを見せられましたし、良いセットアップも見つかっていました。それだけに、レースの結果が出ずに悔しい思いです。