INGING MOTORSPORT

FORMULA NIPPON ROUND 3 AUTOPOLIS 2012年5月26日 <予選>

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予選  ▶ 決勝
天候:晴れ | コース状況:ドライ
公式予選総合結果
#38 平手 晃平 6位/#39 国本 雄資 10位

 もてぎでの前回大会では惜しくもポイント獲得のならなかったProject μ/CERUMO・INGING。あれから瞬く間に2週間が経過し、早くもシリーズは第3戦のオートポリスを迎えることとなったが、今季新たに2台体制を整え、新たなステップを踏み出したチームにとっては一日も早くポイントを獲得してシリーズ中盤戦に向けて弾みをつけたいところ。搬入日となった金曜は生憎の雨もようとなり、阿蘇の外輪山にある高地の山岳コースであるオートポリス近辺は霧に覆われるなど、非常に肌寒い天候となったが、Project μ/CERUMO・INGINGのスタッフたちは明日からのレースウィークを前にピット設営など作業をてきぱきとこなしていった。

 迎えた土曜のオートポリスは前日の雨が上がり、薄曇りながらも時折日が射すなど天候が回復。今オフに路面改修されたオートポリスだが、午前9時半からのフリー走行はほぼドライコンディションでのスタートとなった。

 セッション開始と同時にピットを離れた平手と国本。ゆっくりとした立ち上がりを見せる国本に対し、平手は計測1周目に1分35秒344としてモニタートップに立つと、翌周には1分32秒756と早々にペースアップ。さらに1分32秒106へとタイムを上げてピットへ戻る。一方の国本は、改修された路面を確かめるように1分52秒台、1分37秒台で周回、午前9時36分に1分34秒235として平手同様ピットへ帰還するが、Project μ/CERUMO・INGINGの2台がピット内でセットアップの変更作業を行っている間に、やはり路面改修の影響は大きくトップタイムはレコードとなる1分30秒前半に突入することに。

 午前9時45分、ピットを離れた国本は、計測1周目に1分32秒102へとタイムアップ。この時点で10番手につけると、翌周には再びピットに戻った国本と入れ替わるように、午前9時52分に今度は平手がコースへ。ここで平手は計測1周目に1分31秒215で7番手とすると、翌周には1分31秒158にタイムを伸ばし6番手につける。

 徐々にペースを掴んで来た平手だったが、この直後1コーナーでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがクラッシュ。セッションは赤旗中断となってしまう。

 午前10時07分のセッション再開後、平手と国本は残り20分ちょっととなったコース上に飛び出して行く。国本は早々に1分31秒309をマークして再びピットへ戻り、平手は1分30秒987で9番手とするが、翌周には2コーナーでスピンを喫しそれ以上のタイムアップはならずピットに戻る。

 セッション残り5分を切ったところでセットアップ修正を終え、再びピットを離れた2台。平手は1分30秒658にタイムアップ後、最終ラップに1分30秒450にまでタイムを上げるも10番手に。国本も1分30秒805にまでタイムを伸ばしたものの14番手と、最終的なポジションは2台ともに納得のいかないものとなってしまう。Project μ/CERUMO・INGINGにとってこのフリー走行は残念ながら順調な滑り出しとはならなかったが、午後のノックアウト予選に向けてさらなるマシンバランスの改善のヒントを掴むこととなった。

 相変わらずのどんよりとした曇り空の下、午後2時に始まったノックアウト予選。まずは20分間で行われるQ1だが、ここでは下位4台が脱落することとなっており、是が非でも13番手までに食い込んでQ2に駒を進めたいところだ。

 セッション開始と同時に、まずはユーズドタイヤでマシンのセットアップや路面などをチェックすべくコースインした平手だったが、同じくピットを離れようとした国本は、突然のスターター周りのトラブルでピットアウト出来ないまま足止めを食ってしまう。

 コースに出た平手は、いきなり計測1周目に1分30秒460をマークし2番手に。すぐさまライバル勢のタイムアップにより、8番手あたりにまでポジションは下がったものの、ここでまずまずのフィーリングを得た平手はそのままピットに戻りニュータイヤに換装。セッション終盤のアタックに向け待機することに。この間にも、ピット内ではメカニックたちが必死で国本のマシンの修復作業を続けている。

 そして午後2時13分、ニュータイヤを履いた平手がピットアウト。その直後、無事にトラブルが解消された国本もようやくニュータイヤでコースに飛び出して行く。

 ここで平手はまず1分30秒246をマークし、10番手あたりまで落ちていたポジションを8番手に。スローカーに引っ掛かるなど完璧なラップではなかったため、さらなるアタックを狙ったものの翌周の後半にはタイヤ状況がやや低下してしまい、結局そのままタイム更新はならず。一方、中古タイヤでのセット確認も出来ぬまま、ぶっつけ本番でのアタックを強いられた国本は、計測1周目を1分42秒345としてゆっくりタイヤを温めると、翌周渾身のアタック。20分間のQ1終了を告げるチェッカーがタワーから提示された直後、その直下を駆け抜けた国本のタイムは1分30秒207。これで一気に最後尾から大きくポジションを上げた国本は、最終的に11番手でQ1を通過。平手もぎりぎりの13番手ながらQ1をクリアし、Project μ/CERUMO・INGINGは2台そろってまずはQ1突破を果たす。

 10分間のインターバルの後、7分間で行われたQ2は下位5台が脱落する厳しい争い。短時間のセッションのため、平手も国本も最初からニュータイヤを装着してのコースインとなった。

 ピットを離れると、まずは平手がタイヤを温めつつ計測1周目に1分36秒874とすると、翌周には一気に1分29秒……585をたたき出し、この時点での3番手に躍り出ることに。国本は同様に計測1周目を1分41秒244で終え、翌周のアタックに賭けたが、タイムは1分30秒001と29秒台には僅かに届かず。この時点で国本は9番手となったが、これがファイナルラップとなったためこれ以上のタイムアップはならず、国本は惜しくもQ2敗退が決定してしまう。この結果、6番手で平手はQ3進出を果たした一方、国本は最終的に無念の11番手となった。

 再び10分間のインターバルをおいて午後2時47分から始まったQ3。平手は上位グリッド獲得を狙って、再びニュータイヤでアタックに向かう。セッション開始から約2分待機した後、コースインした平手は最初の計測を1分33秒530として3〜4番手あたりにつけると、続くファイナルラップに1分29秒663をたたき出すがさすがに強豪ひしめくQ3だけに上位進出は簡単ではなく、結果的に平手は7番手という結果となった。

 これでProject μ/CERUMO・INGINGは平手7番手、国本11番手からの決勝スタートと思われたが、予選終了後の車検で2番手タイムをマークしていた山本尚貴のマシンに車両規則違反が見つかり、山本の予選タイムが抹消されることに。このため、明日の決勝を平手は6番グリッド、国本は10番グリッドからそれぞれスタートするということとなった。

2012年Round3 予選ドライバー/#38 平手 晃平

 「今日は持込みのセッティングがそれほど悪くない状況からスタート出来たので、少しずつ修正を加える程度で走れていましたし、ニュータイヤでのバランス変化に対してもしっかり対応してセットアップ出来たように思います。朝に多少良くなかった部分を予選に向けて変えて行ったのですが、Q1ではちょっと引っ掛かってぎりぎりの通過になったとはいえ、ちゃんと走れば大丈夫だという手応えを得られたので、結局Q1からQ3までセットアップを変えることなく行けました。うまくいけば、もう少し上のグリッドも狙えたようには思いますが、セクター1〜2までは良かったものの、終盤にタイヤが厳しくなりややオーバーステア傾向が出てしまって。今季はここまでトラブルなどがあったりしてリズムが悪かったのですが、ようやくこのチームで初めてクルマにある程度の手応えを感じることが出来た1日だったので、明日は絶対ポイントを持ち帰りたいですね」

2012年Round3 予選ドライバー/#39 国本 雄資

 「朝からアンダーステア傾向があり、いろいろセットアップ修正をしていったものの、なかなかそれが改善出来ませんでした。そこで予選に向けては大きくセットアップを変更して臨むことになったのですが、コースインしようとしたらトラブルが置きてびっくりしましたね。このままアタック出来ないのでは、とも思いましたが、なんとか間に合って良かったです。ただ、セットアップを大きく変えていたので、出来ればユーズドタイヤで確認をしてからアタックしたかったですね。それが出来ていれば、もう少しクルマのレベルを上げてQ2に臨めたかもしれませんし、上手く行けばQ2を突破出来たかもしれません。Q2では少しオーバーステアがあったので……。その点で、明日の決勝に向けてはクルマのレベルアップなど、まだまだやらなければならないことがある感じですが、なんとか追い上げるレースをしたいと思います」

監督/立川 祐路

 「38号車の平手に関しては、過去2戦でクルマに問題を抱えていたりしましたが、今回ようやくきちんと予選を戦ってQ3進出を果たしてくれました。Q3でのアタックはちょっと失敗があったようですが、ポテンシャル的にはもう少し前のグリッドが狙えたかもしれないということなので、明日に向けては期待出来る状態ではないかと思います。一方39号車の国本に関しては、残念ながらQ1で予想外のトラブルが出てしまって。その問題を解決するのに時間が掛かってしまい、ギリギリ最後のワンアタックしか出
来なかったことが、クルマのセットアップという面でQ2 にも影響してしまったように思います。明日は新しい路面での初めてのレースですから、タイヤの消耗の度合いなどまだまだ明日の朝のフリー走行で確認すべきことがたくさんあります。しっかりと準備を整えて、明日の決勝を戦いたいと思いますね」

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