FORMULA NIPPON ROUND 4 FUJI SPEEDWAY 2012年7月14日 <予選>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:曇り | コース状況:セミウェット〜ドライ〜セミウェット
- 公式予選総合結果
- #38 平手 晃平 11位/#39 国本 雄資 4位
-
オートポリスでは念願の今季初ポイントを獲得したProject μ/CERUMO・INGING。しかし、2台そろってのポイント獲得となるもピット作業でのミスなどがあり、残念ながらチームにとって会心のレースとまではいかなかった。それだけに、1カ月半もの長いインターバルの間にチームもドライバーもそれぞれにより一層モチベーションを高め、さらなる好成績を目指し第4戦富士のレースウィークを迎えることとなった。
木曜は激しい雨となったものの、搬入日の金曜にはその雨も上がり曇天に。さらに天候の回復が予想されていた土曜だったが、夜半に雨が降ったためにコースは再びウエットとなった。このため、午前8時45分からのフリー走行に向けて、チームは平手、国本のマシンにレインタイヤを装着することとなったが、既に雨は上がっており、直前に行われた全日本F3の予選ではスリックタイヤを履いたマシンがポールポジションを奪うような状況で、セッション中にコンディションの急激な好天が予想される中、チームはセッション序盤をブレーキの焼き入れなどに費やすことに。
多くの陣営も同様にセッション序盤を過ごしたことから、本格的な走行が始まったのは午前9時10分を過ぎた辺りから。この頃からスリックを履いてコースインするマシンが現れ、それまで1分35〜36秒だったトップタイムが一気に1分30秒を切り始める。ブレーキローターの交換などのため、ピットに待機していた平手、国本もスリックを履き、午前9時19分あたりから相次いでコースに飛び出して行く。コース上はラインがほぼドライに転じ、徐々にその範囲が拡大して行っている状態だ。
連続走行に入った国本は、1分31秒322、1分28秒174と順調にタイムアップ。一方の平手も、1分30秒254、1分27秒711、1分27秒072と周回毎にタイムを上げていく。ここで5周ほどをこなしたProject μ/CERUMO・INGINGの2台は再びピットイン、セットアップを進めて行く。
午前9時32分、先にピットを離れた国本は1分27秒089をマークし9番手につけると、再びピットへ。平手も午前9時36分にはピットアウトしフィーリングをチェックすると、2台は再びピットへ。さらなるセットアップ修正をこなし、ニュータイヤに履きかえると、残り5分を切ったコース上に再びアタックに向かう。しかし、ここで国本はスピンを喫しアタックは不発。平手も1分27秒072のベストタイム更新とは行かず、結局平手11番手、国本12番手でこのセッションを終えることとなった。
すっきりとしないセッションとなったフリー走行から約4時間半と、長いインターバルを置いて行われた公式予選。今回もQ1~Q3の3つのセッションからなるノックアウト方式となっており、まずProject μ/CERUMO・INGINGの2台はトップ13台が通過出来るQ3をクリアしなければならない。
しかし、このQ1セッションに先立って行われた全日本F3の第5戦決勝中に雨が降り始めてしまう。一時は強まる気配を見せた雨に、コースは黒く湿って来る。ところが、結果的に雨はそれ以上強まることはなく、2台ほどのマシンがレインタイヤでコースインも、すぐにスリックに履き替える状況。もちろん、Project μ/CERUMO・INGINGの2台はスリックタイヤで午後2時10分にコースインすることとなった。
ここでまずは計測1周目に平手が1分27秒601をマークしてトップ、国本も1分28秒164で4番手につけるが、その直後に最終コーナーで伊沢拓也がスピンし立ち往生。このため、セッションはいきなりの赤旗中断となってしまう。
仕切り直しとなったこのQ1が再開されたのは午後2時19分。残り時間は17分とまだ充分に残っているが、再開後早々に国本は1分27秒037をマークして3番手に。一方の平手も1分27秒289で9番手とすると、2台はニュータイヤを装着するためいったんピットへと向かう。
残り7分となった午後2時29分頃から各陣営がピットを離れ始めると、国本、平手も同様にピットアウト。不安定な天候を象徴するように、コース上には強い日差しが差し始める。
ゆっくりとタイヤを温めた2台は、残り3分を切った段階から再びアタックを敢行。午後2時33分には平手が1分26秒493で一躍トップに躍り出ると、ライバルたちも激しいアタックを見せタイミングモニターが目まぐるしく変動する中、国本も続いて1分26秒178を叩き出して3番手に。結局、Project μ/CERUMO・INGINGの2台はこれでアタックを終了。国本5番手、平手8番手で無事Q2へと進出を果たすこととなった。
10分間のインターバルの後、午後2時46分にスタートしたQ2は7分間。約1分ほどピットで待機した平手と国本は、ここでトップ8に残ってQ3へ進出するべく午後2時47分にコースインしていく。
コースに出た2台は計測1周目を1分32秒と、ゆっくりとしたペースでタイヤを温めると、翌周一気にアタック。平手はここで1分26秒396をマークし5番手につけるが、国本は1分26秒351で平手を上回って来る。7分間と短いセッションは午後2時53分にチェッカーとなるが、この時点で国本は7番手、平手は8番手。ギリギリではあるものの、Project μ/CERUMO・INGINGは今季初めてQ3に2台を送り込むことに成功する。
そして迎えたQ3。上位グリッドへの期待が高まるものの、なんと気まぐれな空は再び雨粒を降らせ始めてしまう。WET宣言が出される中、全車スリックタイヤでのアタックとなるが、どんどんコンディションが悪化して行く中、計測1周目に国本は1分40秒252をマークして4番手に。一方の平手はコースイン直後に予想外のミッショントラブルに見舞われ、シフトダウンが正常に出来ない状況になってしまい、なんとかタイム計測をするも1分44秒812で8番手が精一杯。国本についてはさらなるタイムアップが見られるかと思われたが、コンディションの悪化が予想以上に早く1コーナーでスピンを喫するなどそれ以上の更新が出来ないままチェッカー。
チームにとって不完全燃焼のQ3とはなってしまったが、国本は予選での自己最高位となる4番グリッドを獲得。平手は終了後にQ1でホワイトラインカットがあったとして3グリッドの降格処分を受けることとなり、決勝は11番グリッドからのスタートとなった。悲喜交々の予選となってしまったが、明日の決勝では2戦連続での2台揃ってのポイント獲得を期待したい。
- ドライバー/#38 平手 晃平
-
「朝のフリー走行で少し問題があったので走行時間を失ったのですが、走り出しからクルマ的にはまずまずで、セットアップを進めたものの時間的に厳しく、試し切れない部分を残したまま予選でぶっつけ本番になってしまいました。それでもQ1は少し自分のミスがあったものの無事クリア、Q2ではまずまずの感じのアタックでした。ただ、Q3でさらにマシンのレベルを上げて行こうと微調整してコースインしたのですが、1コーナーでシフトダウンが出来なくて。速度が落ちるとシフトダウン出来るのですが、レーシングスピードでは他のコーナーでもシフトが落ちなかったので、そのまま2周しましたがやはりタイムは望める状態ではなかったですね。さらにQ1でニュータイヤでコースインする際に、アクセルオンでリヤがスライドしホワイトラインを踏んでしまったようで3グリッド降格になってしまって、今日はちょっと散々でした。悔しいですが、明日はなんとしても上位でフィニッシュ出来るよう頑張ります」
- ドライバー/#39 国本 雄資
-
「クルマのバランス的にはそれほど良いとは感じていなかったのですが、Q1から思っていたよりも上の順位に着けることが出来て、結果的にうまくQ3に残ることが出来て良かったです。Q3ではドライのままだったら、上手く行っても6〜7番手だったのではないかと思いますが、雨になってどうなるか分からない状況でした。コースに残っているのがやっとという状況で、まともにアタック出来たわけではありませんが、とにかくプッシュしました。どんどんコンディションが悪くなって行ったので、計測1周目からタイムを上げることが出来なかったのですが、予選4位という結果にはすごく満足しています。ただ、やはりクルマ的にやるべきメニューが残っていますので、明日の朝それを試して良い方向に行けば、もっと良い順位を狙えそうな気がしますし、レースが楽しみですね」
- 監督/立川 祐路
-
「天候が微妙な状況での難しい予選となったわけですが、39号車の国本に関してはそんな中でうまく4番手という自己ベストの予選ポジションを獲得してくれました。明日は充分表彰台も狙える位置からのスタートが出来るので、国本に関しては良かったと思います。ただ、38号車の平手に関しては、また最後のQ3でシフトダウンが出来なくなると言うトラブルが出てしまいましたし、さらにペナルティーを受けてしまい11番手スタートになるので……。トラブル+ミスという形ですから、ちょっと38号車は残念な結果となってしまいましたね。平手はちゃんと走っていれば、国本と同じような予選順位は獲得出来ていたはずなので、明日は挽回してもらいたいです。明日も天候が読めませんが、なんとか今回も2台そろってのポイント獲得を期待したいですね」