FORMULA NIPPON ROUND4 FUJI SPEEDWAY 2012年7月15日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:曇り時々雨 | コース状況:セミウェット〜ドライ〜セミウェット
- 決勝結果
- #38 平手 晃平 7位/#39 国本 雄資 8位
-
雨に祟られる形となった昨日の富士スピードウェイ。Q3では突然の降雨により本格的なアタックが出来ぬまま決着を見たフォーミュラ・ニッポン第4戦の公式予選だが、一夜明けた日曜もまた、雨もようの幕開けとなった。早朝の御殿場市内は雨が降り続けたものの、サーキット付近は比較的早期に雨が上がったためか、日曜午前8時からのフリー走行は曇り空の下で行われた。
とはいえ、路面には大きな水たまりなどはないもののセミウエット状態。このため、Project μ/CERUMO・INGINGの2台、平手と国本はともにレインタイヤでのコースインとなった。
セッション開始と同時にピットを離れた国本は、まずはアウト&インを繰り返し、ピットストップシミュレーションを行う。一方の平手は早々に連続周回に入って行くと、まずは1分43秒台から計測を開始すると、1分42秒248、1分41秒866と徐々にペースを上げ7番手あたりにつける。やや遅れて連続周回に入った国本も、午前8時09分に1分41秒399をマークして4番手となるなど、Project μ/CERUMO・INGINGの2台はピットイン&アウトを行いつつ、決勝を見据えてセットアップを進めて行く。
セッション後半になるにつれ、徐々に路面状況が好転し始め、ライバル陣営の中にはスリックタイヤを履くマシンも現れたが、結局Project μ/CERUMO・INGINGの2台はセッション最後までレインタイヤでの走行を続けることに。その結果、平手は1分39秒838で11番手、国本は1分39秒908で13番手でこのセッションを終え、いよいよ午後の決勝レースに臨むこととなった。
サポートレースやピットウォークなどを終え、決勝が近づいた午後1時15分、8分間のウォームアップ走行を迎えたProject μ/CERUMO・INGINGだが、午後1時あたりから再び雨がコースを濡らしたため、一時は乾いていた路面がまたもセミウエットに。しかし、雨が上がり始めた状況を見て、平手、国本はスリックタイヤでコースイン。平手1分34秒409、国本1分35秒265をマークし4〜5番手につけた2台は、決勝前の最終チェックを終え、いよいよスターティンググリッドに向かった。
午後2時のスタートが迫るも、断続的に雨が降るなど不安定な天候は相変わらず。しかし、Project μ/CERUMO・INGINGの2台は他のほとんどのマシン同様、スリックタイヤのまま国本4番グリッド、平手11番グリッドからスタートとのときを迎えた。
フォーメイションを終え、レッドランプが5つ点灯。そしてブラックアウト。気温26℃、路面温度33℃というコンディションでいよいよ55周の戦いの火ぶたが切って落とされた。イン側4番グリッドからスタートした国本は、鋭い動きだしを見せて1コーナーで3番手に浮上。一方の平手も好スタートを決め、オープニングラップを9番手で終える。
3番手となった国本だが、その背後にアンドレ・ロッテラーが迫り、2台は早くもオーバーテイクシステムを点滅させながらの攻防を見せる。必死の抵抗を見せる国本だったが、ロッテラーに屈し4番手に。逆に平手は早々に山本尚貴をパスして8番手に浮上。Project μ/CERUMO・INGINGの2台は序盤にしてポイント圏内の好位置につける。
序盤マシンバランスに苦しんだ国本は、3周目にジョアオ・パオロ・デ・オリベイラにもかわされ5番手に後退してしまうが、そこからはややペースを持ち直し、オリベイラと松田次生のインパル勢に挟まれての攻防を続ける。しかし、ついに12周目に松田にスリップを奪われた国本は、1コーナーでオーバーテイクを許し6番手にドロップ。だがこの少し前、7周目前後から徐々に強まる気配を見せていた雨が、さらに強さを増すことになり、レース展開に影を落とすことに。
前戦の覇者塚越広大を挟み、6番手国本、8番手平手という位置関係で周回を重ねた2台。平手は29周目のコカコーラコーナーで雨に足をすくわれ、オーバーランを喫して伊沢拓也の先行を許してしまうが、大事には至らず走行を続ける。同じ頃、強まった雨のためにラップタイムがかなり落ちる状況となったため、チームは29周目に国本をピットに呼び寄せレインタイヤへと交換することに。同時に7番手の塚越もピットインしたため、ピット勝負という格好となるが、ここでProject μ/CERUMO・INGINGのスタッフは迅速な作業で給油とタイヤ交換を行い、無事塚越に先んじて国本をコースに復帰させる。
レインタイヤへの交換を選択した国本に対し、平手はスリックのままコースに留まる作戦を選択。レースが終盤に差し掛かり、次々にピットへ向かうマシン達を後目に、40周目7番手、41周目5番手と順位を上げると、42周目についにピットイン。この頃には雨もほぼ止んでおり、平手とチームはタイヤを交換せず給油のみで残りの周回を走ることとし、手早い作業で平手をピットアウトさせることに。
この間、ずっと背後の塚越との拮抗した戦いを演じていた国本は、上位陣のピットインによってじりじりとポジションを上げ、43周目に5番手、44周目には4番手にまで躍進する。しかしながら、レインタイヤを履いている国本と塚越は、乾いて行く路面ではスリックタイヤ勢よりもラップタイムが悪く、残り10周を切ったあたりから徐々にポジションを下げることに。
必死のドライビングで奮闘を続ける国本だったが、7番手を走行中の54周目、逆にスリックタイヤで怒濤の追い上げを見せて来た平手にコカコーラコーナーでオーバーテイクされる。Project μ/CERUMO・INGINGはポジションこそ入れ替えたものの、最後の最後にポイント圏内に再び2台を送り込む。
結局55周のレースはそのままのオーダーでチェッカー。雨に翻弄され、難しいレースを強いられたProject μ/CERUMO・INGINGだったが、それぞれ異なる戦略を選びながらも、終わってみれば平手7位、国本8位と2台揃ってのポイント獲得を達成。2戦連続での2台揃ってのポイント圏内でのフィニッシュに、チームは心地よい疲労感と充実感の中でサーキットを後にすることとなった。
- ドライバー/#38 平手 晃平
-
「スタートが上手く決まって、1周目にロイック・デュバル選手の前に出たのですが、展開的に序盤は悪い立ち上がりではなかったと思います。ただ最初は少しアンダーステアが強くてセクター2で前に離されて、その分セクター3で追いつくと言う感じで周囲との間合いを見ながらのペースで周回していましたが、そのペースが落ち着いて来てこれからというところで雨が降り始めて。コカコーラコーナーで飛び出してしまったりして、苦しい部分はあったのですがスリックタイヤのままステイするということになりました。完全なドライセッティングのままでしたから、その状態でスリックで濡れた路面でステイするというのはとても厳しかったのですが、ミスがあったもののあの位置からかなり後半オーバーテイクしていけましたし、11番グリッドから7位フィニッシュということでポイントも獲得出来、久々に楽しかったレースでした。次はもっと週末を通じてノートラブルでパーフェクトなレースをしたいですね」
- ドライバー/#39 国本 雄資
-
「スタートが決まってうまく3番手まで行けたんですが、クルマのバランスが結構オーバーステアでリヤのグリップ感が薄く、どんどん抜かれて行ってしまって。その後雨が降り始めたので、ここでみんなより早めにレインに換えて、降り続ければ前に行けるなと言う考えで早めにピットインしたんですが、残念ながらその後どんどん乾いて行ってしまって、作戦としては上手く行かなかったですね。ずっと塚越選手に迫られていたのですが、ミスしなければ抜かれないなと思っていました。なんとか最終的にポイントが獲れて良かったです。終盤、スリックを履いたペースの速いマシンが後ろから来たのですが、ペースが違い過ぎて100Rで抜かれました。あまりムリをしても塚越選手に隙を与えてしまうと思い、それほどブロックはしませんでした。次のもてぎでは前回もレースラップが良かったので、予選でもう少し前に行ければ。もてぎまでに何か良いアイテムを見つけて頑張りたいですね」
- 監督/立川 祐路
-
「天候があまりにも不安定でとても難しいレースでした。その状況の中で2台の戦略が分かれたのですが、最終的に同じようなポジションになり、その上2台ともにポイントを獲得出来たので、まずは良かったのかなと。7位、8位という結果ですが、リザルトを見ても、上位は同じチームのマシンが2台ずつ並ぶ感じでしたし、今日のウチのチームの出来があのポジションだったのだろうなと思います。レースペースとしては途中ちょっと厳しい部分もあったと思いますが、結果として2台ともポイントを獲得してくれましたし、悪くてもこれぐらいのリザルトを獲れるようにしていることがチームとして大事だと思いますし、それが表彰台、優勝につながるチャンスになるんじゃないかと。これで2戦連続のポイント獲得となるわけですから、チームとしてのレベルアップを少しずつしている証拠だと思いますから、さらにもう一歩上を目指して次のもてぎに臨みたいと思います」