FORMULA NIPPON ROUND2 MOTEGI 2012年5月13日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:晴れ | コース状況:ドライ
- 決勝結果
- #38 平手 晃平 DNF/#39 国本 雄資 9位
-
まずまずの流れで予選1回目を終え、上位グリッドを狙ってスペシャルステージに挑んだものの平手11番手、国本13番手という不本意な予選結果となってしまったProject μ/CERUMO・INGING。予想外の結果に沈滞ムードさえ漂った土曜夕方のガレージだったが、もちろんずっと下を向いているわけには行かない。立川監督、平手、国本の両ドライバーとチームスタッフは午後の決勝での逆襲を誓って、まずは日曜朝のフリー走行に臨んだ。
好天に恵まれた日曜朝、午前9時15分にスタートしたフリー走行は30分間。セッション開始と同時にコースインした平手と国本は、まずは相次いでピットストップシミュレーションをこなす。最初にこれを終えた平手は、そこから連続周回に入り、一方の国本はシミュレーションを終えると、そのままガレージに入り作業を行うことに。
平手は1分36秒900、1分36秒691とタイムを上げ、10番手あたりにつけるとピットイン。ここでセットアップの修正などを行う。これと前後して午前9時39分にピットを離れた国本は、そこから連続周回を行い周回ごとにタイムアップ。最終的に1分36秒588にまでタイムを上げ10番手とすると、再びピットへ帰還。さらにセットアップを煮詰めて行く。平手も午前9時35分にはピットアウト、同様のタイミングで1分36秒595をマークして12番手に。
午前9時42分、チェッカー間近のタイミングで再びピットアウトした国本は、ファイナルラップに1分36秒494と自己ベストを更新してチェッカー。平手も決勝を見据えた周回をこなしてチェッカーを受けると、Project μ/CERUMO・INGINGの2台はスタート練習を行って走行を終了。結局このセッションでは平手12番手、国本10番手というポジションとなった。
サポートレースやピットウォークを終えた午後1時45分、決勝を前にしたウォームアップ走行がスタート。平手と国本も決勝前の最後のセットアップ確認のチャンスを最大限活かすべく走行、ともにまずまずの手応えを得て決勝のグリッドに並んだ。
迎えた午後2時30分、ついに決勝のフォーメイションラップがスタート。11番グリッドの平手、13番グリッドの国本は、ともにアウト側グリッドからのスタートとなる。
そして午後2時35分、レッドシグナルがブラックアウトし52周の戦いが始まった。まずまずの好スタートを決めた平手に対し、国本はやや動きだしが鈍かったものの、そこからの加速が良く逆に12番グリッドの中嶋大祐を3コーナーでインを差して12番手に浮上。Project μ/CERUMO・INGINGの2台はオープニングラップを平手11位、国本12位で終える。
レース序盤は10番手を行く大嶋和也を追って、平手、国本、さらに背後の中嶋と数台のマシンが接戦を演じるが、この4台はペース的にも近く、拮抗した攻防となっていく。5周目の1コーナーでロイック・デュバルと小暮卓史がコースアウトを喫したことで、一気にふたつポジションが上がり、平手は9位、国本は10位と、2台は労せずしてポイント圏内まで後一歩に迫る。
ところが、7周目に平手1分37秒982、国本1分37秒803と、ともに自己ベストラップを更新した直後、8周目の1コーナーで予想外のアクシデントが発生する。1コーナーに向けてブレーキングとシフトダウンをしようとした平手だったが、シフトダウンがきちんと出来ずコースアウトしかけたのだ。これで国本の先行を許した平手は、なんとか飛び出さずコースに留まったもののシフトダウンやアップが思うように出来なくなってしまう。
予期せぬ駆動系のトラブルに見舞われてペースダウン、中嶋大祐にもかわされた平手に対し、チームは無線で指示を与えながら走行を続けつつ状況の打開に務めたが、症状は改善するどころか、ついにシフトダウンもアップも出来ないまま5速にスタックしてしまい、やむなく平手は10周終了時でピットイン。そのままガレージに押し戻されてしまう。すぐさまメカニック達が平手の38号車にとりつきリヤカウルを外し原因を探るが、刻々と時間は過ぎ、平手は大きく周回遅れとなってしまう。
一方平手がいなくなり、8周目に自動的に9番手に浮上した国本は、9周目に1分37秒586とすると、さらに翌周1分37秒392と自己ベストを連発し前の大嶋とのギャップを詰めて行く。37秒台の良いペースで周回を続ける国本は、大嶋とのギャップをコンマ数秒に縮めることに成功するが、テクニカルで抜きどころの少ないもてぎでは、詰め寄るものの、どうしてもオーバーテイクを仕掛けることが出来ない。
このため、立川監督以下、チームは29周目に国本をピットインさせ、給油とニュータイヤへの交換をする決断を下すが、ここで前を行く大嶋も同時にピットイン。Project μ/CERUMO・INGINGのスタッフは迅速な作業でピットでの逆転を狙うが、相手もほぼ同タイムで作業を終えたため、すんでのところで逆転はならず。ピットアウト後、大嶋は8番手、国本は9番手となり再びコンマ数秒間隔での接戦を演じるも、なかなかチャンスは訪れないじりじりとした展開が続く。
こうする間にパーツの交換など修復作業を終えた平手は、25周遅れとなりながらも午後3時31分に戦列に復帰する。今大会でのリザルトは既に臨めなかったが、同じもてぎでの8月のレースを鑑み、セットアップなどのデータ収集のため失意の中にありながら、精力的に周回を重ねる平手。
結局国本は、最終ラップまで大嶋にプレッシャーをかけ続けるも、残念ながらオーバーテイクはならず9位のままチェッカー。大嶋を抜ければProject μ/CERUMO・INGINGにとって待望の今季初ポイントとなるところだったが、惜しくもポイント獲得目前でのフィニッシュとなった。また、平手はチェッカーまで周回を続けるも、周回数不足のためにリタイア扱いとなっている。
- ドライバー/#38 平手 晃平
-
「悔しいというか、精神的にかなりダメージの残るレースになってしまいました。決勝がスタートしてからは、フィーリングも悪くなかったし周囲と比較してペースもまずまずだったので、よし、ここから勝負だなと思ったところで、急に1コーナーでギヤが落ちなくなってしまって。熱による悪影響かもしれないということで、冷やせばなんとか走行を続けられるかもしれないと出来るだけシフトアップやダウンをしないように走ったりしたんですが、やはりシフトが落ちたり落ちなかったりで、最終的に完全に5速のまま動かなくなってしまいピットインするしかありませんでした。最後は次のもてぎでのレースのためにセットアップを変えたりして走りましたが、週末を通じてセットアップ変更に対するクルマの反応もおかしかったですし、次のオートポリスまでに工場でもう一度各部をチェックし直してもらう必要があると思います。今回は子供が生まれて最初のレースだったこともあり、思い入れもいつも以上に強かっただけに残念ですが、ただオートポリスは得意なサーキットなので、次戦に気持ちを切り替えて臨みたいですね」
- ドライバー/#39 国本 雄資
-
「スタートはあまり良くなかったかもしれませんが、うまく3コーナーでインに入り中嶋大祐選手をパスして1周目にポジションをひとつ上げることが出来ました。ただ、そこからは前と同じようなペースで走っていたのですが、やはりこのサーキットは抜くのが本当に難しいので……。レース後半は大嶋選手との攻防になったのですが、自分の方がペースは良かったもののオーバーテイクするチャンスはなかったですね。出来ればピットインも周囲とずらしたタイミングで入りたかったのですが、大嶋選手も同時になってしまいましたし、ガソリン的にもギリギリまで攻めて行ったんですが、どうしても抜けなかったです。ただ、この2戦レースペースは良いので、次のオートポリスでは必ずポイントが獲得出来るよう頑張ります」
- 監督/立川 祐路
-
「トップ2〜3台のペースとは差があったものの、39号車の国本に関しては周囲とも差が無くラップタイムも悪くなかったですし、もう少しでポイントに手が届くという戦いは出来たものの、やはりこういう僅差の攻防となると予選結果が決勝でも大きく影響してしまいますね。ピットストップで前に出してやりたかったんですが、結局周囲も同じタイミングでピットに入ってしまったので、それも出来なくて。コンマ1秒を争うような接戦の中でポイントを勝ち獲るためには、やはり予選でのパフォーマンス改善が必要だと思います。また、平手に関しては鈴鹿もそうでしたが、今回もトラブルが出てしまい2戦続いてドライバーが気持ちよくプッシュして戦える状況を作ってやれていないので、その点ではチームとして申し訳なく思います。次のオートポリスに向けて、きちんとドライバーがレース出来る状態にするべくしっかりと準備をしてレースウィークを迎えたいですね」