FORMULA NIPPON ROUND5 MOTEGI 2012年8月5日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:晴れ | コース状況:ドライ
- 決勝結果
- #38 平手 晃平 8位/#39 国本 雄資 10位
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前日の公式予選では平手はQ3に進出し7番グリッドを獲得、一方国本は予想外の15番手でQ1敗退と明暗の別れる予選結果となったProject μ/CERUMO・INGING。相変わらずの晴天となった日曜のツインリンクもてぎを舞台に、52周の長丁場の戦いとなる決勝では、是非とも2台揃っての上位入賞を期待したいところだが、予選終了後には平手、国本ともに決勝に向けてはさらなるセットアップの熟成が必要と認めているだけに、決勝に向けたセットアップ調整の最後のチャンスとなるフリー走行は重要な意味合いを持つ。気温32℃、路面温度45℃と早くも暑くなった午前8時50分のセッション開始と同時に、Project μ/CERUMO・INGINGの2台のFN09はコースへと飛び出して行く。
まずアウト&インでスタート練習を行った平手同様、国本もアウト&インをこなし、2台はその後計測ラップに入ると、まず平手は1分39秒200までタイムを上げて3周でピットイン。一方の国本はさらに1周を追加し4周で1分39秒062としてピットに戻る。
ここで若干のセットアップ修正を行った2台。平手は午前9時05分にピットアウト、国本もその1分後の午前9時06分にコースに戻ったが、この時点では国本14番手、平手15番手という状況。しかし、ここからロングランに入った平手と国本は、安定したラップを刻んで行く。その中で平手は6周目に1分38秒342をマークして6番手、国本は7周目に1分38秒347で7番手につけるなど、2台は切磋琢磨するかのように拮抗したタイムで周回を重ねて行く。
最終的には1分39秒台にタイムが推移する中、ピットに入ること無く周回を重ねた平手と国本は、午前9時20分にチェッカーを受けるとスタート練習をこなして帰還。このセッション、平手は9番手、国本は10番手ながら、決勝への手応えを感じることとなった。
迎えた午後1時15分、いよいよ決勝に向けたスタート進行が始まった。8分間のウォームアップで平手は連続周回を行い、国本は決勝で使用するニュータイヤの皮むきをこなすと、それぞれいったんピットイン。改めてダミーグリッドへと向かうProject μ/CERUMO・INGINGの2台。
照り付ける日差しの中、ふたりのドライバーは徐々に集中力を高めて行く。気温34℃、路面温度50℃という暑さの中、いよいよ午後2時03分に52周の決勝レースがスタートした。
7番グリッドの平手、そして15番グリッドの国本はまずまずの動き出しを見せたものの、密集の中で思うようなポジションアップは果たせず。逆に平手は1コーナーで伊沢拓也の先行を許し、1周目は平手8番手、国本15番手で終えることに。そこから平手は前を行く伊沢を、同じく国本は中嶋大祐を追っての走行が始まったが、抜きどころが少ないことで知られるもてぎだけに、両者ともになかなか前車に仕掛けることが出来ず、コンマ数秒差のまま一列縦隊となってしまい、拮抗した攻防が続く。
それでも国本は、6周目に山本尚貴がトラブルでスローダウンしたことで14番手とするも、ニュータイヤでスタートしペース的には上回るもののなかなか思うようにポジションを上げられないことから、立川監督以下チームの判断で早めのピットインで空いた状況でプッシュする作戦に切り替え、19周終了時にピットへと呼び戻す。
スタッフの迅速な作業で皮むきを終えてあるニュータイヤに履き替えた国本は、ピットアウトすると猛プッシュ。22周目には1分38秒812という、その時点でのファステストラップを刻むなど、前が空いているところでハイペースで周回を重ねて行く。
一方平手はこの頃から始まったライバル勢のピットインによって、じりじりとポジションを挽回。21周目に7番手、22周目に6番手、23周目に5番手、24周目に4番手と、文字通り周回毎にポジションを上げて行った平手は、ついに27周目にはトップに浮上することとなり、国本同様前が空いた状態となったことで、1分39秒台にペースアップする。
ところが、このあたりで平手のステアリングモニターに燃料の温度上昇を知らせる警告が表示される。すぐに大きな問題となるわけではないものの、この暑さの中、ピット作業を終えてリスタートする際、パーコレーションなどの予期せぬトラブルが起こらないとも限らないため、チームは平手のピットインを少し早めることとし、平手を29周目にピットインさせる。
ここでも迅速な作業を終えたProject μ/CERUMO・INGINGのスタッフたちは、平手を8番手あたりでコースに復帰させるが、この時点で先にピットを終えていた国本も11番手と、戦略が奏功してポジションを挽回。さらに31周目に小暮卓史がドライブスルーペナルティーを消化したことで、国本は10番手に浮上、ポイント圏内まで後少しという状況となった。
しかしながら、やはりレース後半も拮抗した展開となってしまいProject μ/CERUMO・INGINGの2台はそれ以上のポジションアップは果たせず。39周目には1分38秒767のベストラップをマークも平手は8位、国本は10位でのチェッカーとなった。
惜しくも2台揃ってのポイント獲得は果たせなかったProject μ/CERUMO・INGINGだが、平手が8位に入賞し1ポイントを獲得したことで、チームとしてポイントゲットはこれで3戦連続。安定感の増したProject μ/CERUMO・INGINGだけに、次戦菅生では、さらなる好成績を狙いたいところだ。
- ドライバー/#38 平手 晃平
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「スタートが上手く行かなくて、1コーナーまでに伊沢選手に先行されて。それでポジションをひとつ落とす形で1周目を終えたんですが、結果的に淡々とした展開になってしまったというか、みんな競り合いの中で前のマシンに1秒差くらいに近づくとダウンフォースが抜けてしまってオーバーテイクを仕掛けられるくらいまで行けない状態でした。僕のクルマの状態は悪くなかったのでタイヤを温存しながら走っていたのですが、ずっと前に詰まっている格好だったので僕も早い段階でピットに入りたかったものの、予想より前のマシンが先にピットインしたので、そのまま残ることになって。トップに出た時には良いラップも刻めていたんですが、燃料温度の警告が出たので結果的には予定より早めに入ることになりました。2セット目のタイヤは最初より内圧を少し調整してもらい、かなりバランスが良かったのでポジションを上げられそうではあったんですが、やはりもてぎは抜くところが無くて。しかし、それでもポイントを獲得出来ましたし、このところ良い流れが来ているので、次の菅生にしっかり準備をして臨みたいですね」
- ドライバー/#39 国本 雄資
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「スタートは上手く行ったのですが、行き場が無くてポジションを上げられず、ずっと中嶋大祐選手の後ろを走っていたんですが、やはり前に近いところにクルマがいると、ブレーキが厳しくなるし空力的にもつらいので、ペース的には僕の方がはやかったもののこう着状態になってしまって。それで早めにピットインすることにして、その後数周タイヤの良いときにプッシュして順位を上げようという作戦だったのですが、それが上手く行って少しポジションを上げられました。しかし、終始クルマのバランスがリヤの方がナーバスで、ターンインでオーバー傾向があったのでちゃんと攻め切ることが出来なかったように思います。とても暑かったですし、かなり厳しいレースになってしまったと思います。今回は10位でポイントには届かなかったのですが、次の菅生は結構好きなサーキットなので、今課題になっている予選でQ3に食い込めるようにクルマをもう少しレベルアップして行きたいと思います」
- 監督/立川 祐路
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「抜きどころのないもてぎということで、結果的に2台共に渋滞にはまってしまったというか、抜けないですね、ここは。周りもそうかもしれませんが、ペース的には良くても1秒くらいの間隔に近づくとダウンフォースが抜けて厳しくなってしまうので、仕方の無い部分かもしれません。ピットの作業に関しては、今回大きな問題もなく良かったと思いますし、平手が8位に入ってポイントを獲得してくれたということで、チームとしての安定性も良くなっているといえるでしょう。国本にしても、結果は10位でしたが、予選順位がもう少し前ならば、普通にポイントが獲得出来ていたはずですし、やはりさらに上位を目指すならば予選順位を改善する必要があると思います。そのあたりが菅生での課題となるでしょうね」