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FORMULA NIPPON ROUND6 SUGO 2012年9月23日 <決勝>

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予選  ▶ 決勝
天候:雨 | コース状況:ウェット
決勝結果
#38 平手 晃平 8位/#39 国本 雄資 13位

2012年Round6 決勝 予想外に苦戦、平手16番手、国本11番手という結果に終わった土曜の公式予選。一夜明けて迎えた日曜の菅生は、前日よりも肌寒くどんよりとした曇り空。朝いちに行われた全日本F3選手権の決勝レース中にも雨が降り始めるなど、予報通り不安定な天候となった。

 こうした状況から、雨の想定される決勝に向けて重要な意味を持つフリー走行は、変則的なタイムスケジュールのため午前10時10分からのスタートとなった。このセッションを前に雨がやや強まる気配を見せたため、開始前にはWET宣言が出された。

 午前10時10分、セッション開始と同時にピットを離れた国本だが、ここではスリックタイヤでの走行。同じく平手もスリックタイヤでのコースインとなり、ともにProject μ/CERUMO・INGINGの2台はアウト&インですぐにピットに帰還。この後再び国本はスリックでアウト&インを行うが、平手はこの間にレインタイヤへと履き替え、国本の後にピットを離れる。

 徐々に雨脚が強まる中、セッション半ばにはセットアップも徐々に進み、まずは先にレインタイヤでの走行を開始した平手が午前10時19分に1分29秒600をマークし8番手に。やや遅れてレインタイヤに換装した国本も、午前10時28分には1分28秒765にタイムアップ、この時点での11番手につける。

 どんどん周囲がタイムを上げて行く中、同様にタイムを更新して行ったProject μ/CERUMO・INGINGの2台は、残り10分の段階では1分27秒台に。雨がやや小康状態となったことで、そこからのコンディションの好転スピードは早く、残り5分を切ってピットアウトしてきた国本は、10周目に1分25秒566をマークして5番手に。国本はライバル勢のタイムアップもあり、最終的に7番手となったが、一方の平手もチェッカー提示後のファイナルラップに1分26秒587にまでタイムを上げると14番手としてこのセッションを終了。終始不安定なコンディションの中での走行となってしまったこのフリー走行では7番手、14番手とあまり上位に食い込めなかったProject μ/CERUMO・INGINGだが、さらにセットアップを進めつつ午後の決勝を待つこととなった。

 午後2時15分からのウォームアップ走行でセットアップの最終確認を終えたProject μ/CERUMO・INGINGの2台。コンディションは予想通りのウエットとなり、38号車平手、39号車国本ともにレインタイヤでグリッドに着くこととなったが、雨脚は強まり、結局レースはセーフティーカー先導によるスタートに変更された。

 午後3時ちょうど、セーフティーカーを先頭に隊列がスタート。アウト側11番グリッドから国本、イン側16番グリッドから平手もゆっくりとしたペースでレースをスタートさせる。このセーフティーカーによる先導は3周目まで続き、本格的な戦いは4周目から始まった。

2012年Round6 決勝

 集団のまま最終コーナーから加速していった国本と平手。セーフティーカーラン中に接触して山本尚貴がピットインしたことで、国本は10番手、平手も15番手に浮上、幸先の良い序盤となったProject μ/CERUMO・INGINGの2台だが、雨のレース特有のウォータースクリーンにより集団の中で競り合う国本も平手も充分な視界は得られない。それでも国本は前を行くジョアオ・パオロ・デ・オリベイラを果敢に攻め、5周目の最終コーナーではオリベイラに並びかけ、コントロールラインでは僅かにこれに先んじ、計時ポジションは8番手となる。しかし、オリベイラも1〜2コーナーで粘りを見せ、8番手を奪い返す。2コーナーでは今一度オリベイラのインを突いた国本だったが、ここで僅かに国本の左フロントとオリベイラの右リヤが接触。9番手に後退した国本は、フロントウイングにダメージを負ってしまう。

 このアクシデント自体は大きなものではなかったが、数周後に損傷を受けた国本のウイングから空力パーツが脱落すると状況が一変。空力バランスが崩れ、グリップ感を失った国本はペースが上げられずオリベイラから徐々に引き離されてしまうことに。さらに運の悪いことに、8周目の馬の背コーナーでは国本を抜きに掛かった中嶋大祐の左フロントウイングが、国本の右リヤに接触。国本の39号車はフロントに加えてリヤにもダメージを受け、まさに手負いの状態となってしまう。

 一方国本の後方でレースをスタートした平手は、5周目に小暮卓史がピットインしたことで14番手に浮上。前を行く安田裕信を激しく追走するが、視界が悪くどうしても自分のペースで走れない。もどかしい展開を強いられた平手だが、アクシデントなどで脱落するライバル勢を後目に、粘り強く周回を重ねて行く。

 国本9番手、平手13番手で迎えた13周目にはアンドレ・ロッテラーが早めのピットイン。これで国本はポイント圏内となる8番手、平手も12番手とし、ポイント獲得への期待が高まることとなったが、20周目に前の安田がピットインしたことで前がひらけ、本来のペースを取り戻し1分24秒台から23秒台にまでタイムを上げ始めた平手に対し、国本はやはり手負いの状態でペースが上げられない苦しい展開が続く。

 今回スポット参戦となった佐藤琢磨を間に挟み、32周目には平手が10番手に浮上すると、34周目には佐藤がピットインし、Project μ/CERUMO・INGINGの2台が8〜9位に連なることとなったが、1分23秒600のベストラップを刻んだ平手は国本に迫り、39周目の1コーナーでついに両者はポジションを入れ替えることに。その後国本は42周目にピットイン。グリップ感が余りにないことで、立川監督以下チームは状況打開に繋がればと給油だけでなく、タイヤ交換も行って国本をコースに復帰させる。

 8番手となった平手は44周目に1分23秒440のベストラップをたたき出すなど、その後も粘り強く周回しさらにポジションを上げて行くと、6番手まで浮上した52周目までピットインを引っ張ることに。しかし、雨の中での攻防で、シケインや最終コーナーなどで2度ほどバランスを崩し飛び出しかけるなど、若干のタイムロスをしていた平手は、ここで給油のみでピットアウトも、先にピット作業を終えていた佐藤や金石年弘らの後塵を拝し11番手まで後退してしまう。

 ところが、57周目に最終コーナーで右リヤタイヤの脱輪に見舞われた松田次生がグリーン上にストップ。このマシンを排除するため、再びセーフティーカーが導入されることとなった。

 このセーフティーカーによって10番手に浮上、さらに前とのギャップを詰めた平手は、残り5周でのリスタート直後の65周目、中嶋一貴との接触によって3コーナー立ち上がりのコース上でスピンしたロッテラーのマシンをすんでのところで避け9番手とすると、その周の終盤にはホームストレートで佐藤をオーバーテイク。これで見事ポイント圏内となる8番手に浮上した平手は、そのままのポジションをキープしてチェッカー。苦しいレースとはなったものの、粘り強い走りでまたしてもProject μ/CERUMO・INGINGに貴重な1ポイントをもたらすこととなった。

 一方、国本はピットイン後も接触によるダメージの影響は改善せぬままペースも思うように上げられず苦闘。諦めずに前を追ったが、最終的には1周遅れの13位でのフィニッシュとなった。

 次戦はいよいよ今季最終戦の鈴鹿。中盤戦からの好調な流れを継続しつつ、今シーズンの集大成となる好レースを期待したいところだ。

2012年 Round6 決勝ドライバー/#38 平手 晃平

 「朝からセットアップを変えて臨んだ決勝前のウォームアップでも荷重がしっかり乗る感覚がなく、あまりフィーリングが良くなかったのでセットアップを元に戻す方向で臨んだ決勝でしたが、やはり雨のレースでは集団の中は視界が悪いので、我慢の走りを続けました。自分のフィーリングではとても遅いと思っていたのですが、前が空いてからはベストタイムを毎周のように更新する感じで、上位と比べてもそれほど悪くないペースで走れていたようです。そこからペースを上げて行ったのですが、2回ほど自分のミスで飛び出したりしたことでタイムをロスしたのが残念でした。ただ、こういう厳しい状況でもポイントが獲れたことは良かったと思いますが、やはりマシンには納得のいかない部分が残っているので、次戦までに向上で基盤となる部分からしっかりチェックしなおしてもらい、最終戦の鈴鹿では表彰台を獲得するなど良い形でシーズンを締めくくりたいですね」

 

2012年 Round6 決勝ドライバー/#39 国本 雄資

 「雨量が多くなっていたせいか、決勝前のウォームアップでは朝よりもフィーリングが悪く、決勝でもリヤが安定しない感じが常にありました。セーフティーカーが抜けた後、オリベイラ選手とのバトルの際、2コーナーでインを狙ったときに僕のフロントウイングと彼のリヤが当たってしまい、そのときにウイングのパーツが外れかかってしまって。しばらくバタバタしながら走っていたのですが、何周かしたらそれが脱落し、空力バランスの崩れがリヤにも悪い影響を与えてしまったらしく、全然ペースが上げられなくなってしまいました。中嶋大祐選手との接触もありましたし、そこからはもうかなり辛いレースになってしまいましたね。今日のレースは残念な結果になりましたが、今回の週末ではクルマのバランスがかなり改善された手応えが得られたので、もうちょっとその部分が向上すれば、次はかなり良いところまでいけるんじゃないかと感じていますので、しっかりとミーティングをして次の鈴鹿ではちゃんとポイントが撮れるように頑張ります」

 

2012年 Round6 決勝監督/立川 祐路

 「38号車の平手に関しては、予選のポジションが悪く後方からのスタートでしたが、良くポイント圏内まで持って行ってくれたと思います。昨日からクルマ的にはいろいろ思うようにならない部分もあったと思いますが、そんな中でドライバーが良く頑張ってくれたと言えるでしょう。一方39号車の国本は朝のフリー走行で、雨の中でも速さを見せていただけに期待していたのですが、序盤のうちに接触があり、その影響でバランスが悪化してしまったようです。状況がかなり良くなかったですし、グリップ感がないということでタイヤも交換したのですが、あまり状況は好転せず苦しい走行になってしまいました。次の鈴鹿までは時間もありますし、38号車については最終戦でさらに上のポジションを狙うためにも、しっかりと各部を見直す必要があると思います。また、39号車については2戦ほどポイントから遠ざかっていますので、鈴鹿では挽回して欲しいですね。JAF GPはあるものの、鈴鹿は今シーズン最後のレースですから、2台ともにドライバーが思いっきり攻めて戦えるようなレースにしたいと思います」

 

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