SUPER FORMULA 2013年4月14日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:薄曇り | コース状況:ドライ
- 決勝結果
- #38 平手 晃平 12位 / #39 国本 雄資 10位
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昨年まで「フォーミュラ・ニッポン」という名称でハイレベルなバトルを見せてきた国内最高峰のフォーミュラカーシリーズが、今年から「スーパーフォーミュラ」と名を改めることとなった。新しい歴史の幕開けに名を刻むべく、11チーム・19台のマシンが集結。P.MU/CERUMO・INGINGは、同チームからデビューし3年目のシーズンを戦う国本雄資と、2年目の平手晃平、昨年と同じドライバー体制でシーズンに挑む。今シーズン初めての予選では2台ともにQ3進出を逃したが、進出車両との差はわずかに100分の1秒。昨年以上に熾烈を極める戦いを予感させるセッションとなった中で、平手が9番グリッド、国本が10番グリッドを獲得した。
予選日は日差しも出ていた鈴鹿サーキットだが、決勝の行われる日曜日は薄曇りの様相。午前9時10分から30分間で行われたフリー走行では、平手が10周以上のロングランチェックを行い、一方の国本は何度かピットに戻りながらマシンの微調整を行っていく。最終的に国本が1分42秒027で12番手、平手が1分42秒275で13番手にとどまったが、前日の予選と比べると全体的にタイムがばらけており、決勝に向けたチェック内容がそれぞれ異なっているのは明らかで、ロングランチェックもマシンチェックも順調に進めることができたチームとしては、万全の態勢で決勝レースに臨めることとなった。
春の鈴鹿サーキット伝統の「2&4レース」として開催された今回のイベントは、全日本F3選手権の開幕戦やJSB1000の第2戦が併催されており、スーパーフォーミュラの決勝レースはイベントの大トリを飾った。開幕戦恒例のドライバー紹介やグリッドウォークが行われたのち、午後2時30分にいよいよ決勝レースがスタート。シグナルのブラックアウトと同時に素晴らしい飛び出しを見せたのは平手で、9番グリッドから1つポジションアップ。さらに1台がコースオフし、2周目には7番手まで順位を上げることに成功した。一方の国本はやや出遅れる形で1つポジションダウンとなったが、8周目にはふたたび10番手に順位を戻し、前のマシンをオーバーテイクするチャンスをうかがっていた。
平手7番手、国本10番手のままレース序盤は周回が重ねられていく。国本は前を走る平川亮と、背後の中嶋大祐との9番手争いを展開。平川に詰まる形でペースを上げられずにいた国本は、予定を早めて19周を終えたところでピットイン。約20秒という作業時間でチームは国本をコースへと送り出したが、一足早くピット作業をすませていた中嶋が、コースに復帰直後の国本に襲い掛かった。交換したばかりの冷えたタイヤでデグナーカーブまで中嶋を押さえた国本だったが、スプーンコーナーの立ち上がりでサイド・バイ・サイドに持ちかけられて逆転を許してしまう。このあたりから他車も続々とルーティーンのピットワークに入り、国本の目の前にピット作業直後のペースの遅いマシンが何台も出てくることに。これらをかわすのにわずかなタイムロスを喫した国本は、レース序盤のライバルであった平川と再び接近戦を展開することになった。25周目にピットアウトしてきた平川に、すでにタイヤの温まりきった国本が逆バンクで追いつきオーバーテイクのチャンスをうかがう。国本はヘアピンコーナーでアウトから平川に並びかけるも、決定打には至らず、スプーンコーナーでもイン側を守られなかなか隙をこじ開けることができない。2台のバトルはその後も数周にわたり1秒を切るギャップで展開され、レース中盤のハイライトの一つになった。実は、ピット作業でのトラブルにより燃費走行を指示されていた国本は、その後若干ペースダウン。最終的には予選順位と同じ10位でチェッカーを受けた。
レース序盤に7位を走行していた平手は、ピットでの作業時間を少しでも短くするために若干の燃費走行も意識しつつ、安定したペースで周回を重ねていた。ピットインは、レースも半分を過ぎた28周目。前半の燃費走行が功を奏し、他よりも短いピットストップとなった平手は12番手でコースに復帰。全車がピット作業を終えた33周目には、7番手まで順位を取り戻していた。後半では、トップグループとそん色のないラップタイムを刻み、43周目には1分42秒118の自己ベストタイムをマーク。こちらもピット作業でのトラブルにより燃費走行を続けながらも前後のマシンにペースで後れを取ることなくゴールを目指していたが、ファイナルラップのバックストレートでついにガソリンが切れ、一気にペースダウン。下り坂になっている最終コーナーからホームストレートまでなんとかクルマを運び、12位でチェッカーを受けた。
ピットでの給油作業中のトラブルにより残念ながらノーポイントとなってしまったP.MU/CERUMO・INGINGの2台。しかしながら、燃費走行というハンデを負った状態で他車とそん色のないペースを刻めたことは事実。ポテンシャルを結果という形で証明すべく、オートポリスでのリベンジを誓う開幕戦となった。
ドライバー/#38 平手 晃平
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「スタートをうまく決めることができて1台をかわし、さらに7番手まで順位を上げることができました。ペースが悪くなければピットインのタイミングを引っ張る予定でいましたが、予想以上にフロントタイヤの摩耗が激しく、想定していたよりは若干早めにピットに入ることになりました。ピット作業を縮めるために前半は燃費走行をしていて、実際の作業時間は短くまとめることができたのですが、残り15周ぐらいでちょっとガソリンが足りないかもしれないと無線で連絡があり、そこからはマップをかなり絞った燃費走行になりました。それでもペースは悪くなかったし、後ろとの差もあまりつまらなかったのでこのままの順位でゴールできるかなと思っていましたが、最終ラップの残りコーナー4つぐらいのところでエンジンの吹けが悪いなと感じるようになり、130Rを曲がったところでいきなり落ちてしまいました。なんとか惰性でチェッカーを受けましたが、悔しい限りです。レース序盤から燃費走行になりましたが、周りとそん色ないペースで走れていましたし、最後まで走りきれていれば7位でゴールできただろうということを考えると、マシンのポテンシャルは高いと思います。だからこそ悔しい結果です」
- ドライバー/#39 国本 雄資
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「前を走る平川選手に詰まっていたので、早めにピットに入りました。その作戦自体はとても良かったのですが、そのあとでピットアウトしてきたマシンに引っかかってしまい、ふたたび平川選手とバトルすることになりました。終盤になれば、今回が初レースになる平川選手は体力的にもきつくなるんじゃないかと思い、最後までついていってチャンスを作ろうと思っていたのですが、残り15周ぐらいで燃料が足りなくなってしまい、終盤には後ろのマシンに抜かれてしまいました。ペースが上げられず厳しいレースになりましたが、最初にスタートで出遅れてしまうミスがなければ平川選手とのバトルにもならなかっただろうし、燃料ももう少しセーブできたかもしれないと思うと、今日のレースはスタートでのミスが最後まで響いてしまったと思います。クルマのポテンシャルは去年よりもレベルが上がっていると思うのですが、それがうまく順位に結び付けられず、もどかしいです。ポイントを獲りたかったのでとても悔しいですが、オートポリスまでにさらに速くなる要素を見つけて、予選からもっと前で走れるように準備をしたいと思います」
- 監督/立川 祐路
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「2台ともレースの途中までは順調だったのですが、ピットの給油作業で思った通りにガソリンが入らないというトラブルが出てしまい、最後は燃料が足りない状態での走行になってしまいました。我慢のレースをすることになりましたが、厳しい状況の中ドライバーたちは頑張ってくれていました。マシンのポテンシャルとしても、予選も含めてトップグループとの差は少なく、テストの段階から表彰台を狙える位置にはいると考えていましたので、あとはミスなくレースウィークを進めるだけだと思います。シーズンを戦ううえでそれが大事になってくるので、しっかりと準備をして次戦のオートポリスラウンドに臨みたいと思います」
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