SUPER FORMULA Rd1 SUZUKA 2016年4月23日 <予選>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:晴れ | コース状況:ドライ
- SUPER FORMULA 公式予選総合結果
- #1 石浦 宏明 15位 / #2 国本 雄資 2位
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2016年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が鈴鹿サーキットで開幕。快晴のもとで行われた公式予選で、P.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資が2位でフロントローグリッドを獲得。石浦も速さは見せたものの、タイミングが悪く15位となった。
今年はレースフォーマットが大きく変わり、金曜日に走行セッションが追加されることになった。ディフェンディングチャンピオンのP.MU/CERUMO・INGINGは、この金曜のセッションで石浦が2番手、国本が3番手タイムをマーク。昨年まででは試せなかったような、変更に時間を要するセッティングへのトライや、今シーズンから供給されるヨコハマタイヤでの走行データなども取れ、内容・結果ともに充実した形でレースウィーク初日を終えることとなった。
予選日の朝に行われたフリー走行は、前日の落ち着いたセッションから一転、2度の赤旗中断が起こる荒れた展開となった。規定により新品タイヤを履いて走行ができなかった前日のセッションでは、順位は良かったものの予選に向けて一抹の不安を抱えていた国本だったが、このセッションで2番手タイムをマーク。石浦はアタックラップでわずかにコース外へマシンを落としたために下位にとどまったが、前日と合わせた2セッションでマシンの手ごたえを確実につかみながら、予選へと向かっていった。
午後の予選では、午前中よりも気温・路面温度が上昇。暖かなコンディションでセッションがスタートした。昨年同様、20分間のQ1で下位5台がノックアウトされる。まずは定石通り、ユーズドタイヤでマシンのチェックを行うが、ここで石浦が3番手のタイムをマーク。フィーリングを掴みながらピットへと戻り、新品タイヤに履き替えてアタックのタイミングを待った。残り7分を切ったあたりでコースイン。ウォームアップラップを終えていざアタックへと向かったが、このアタックの最中に他車がコースアウトしたため、セッションは赤旗中断となってしまう。残り時間3分で再開したが、ウォームアップもままならぬ中、アタックのチャンスはわずか一度。石浦はこの1周に集中し、全体の2番手タイムをたたき出した。ところが、運悪く前方で他車がスピン。石浦の前で、当該区間で速度を落とすことが義務付けられるイエローフラッグが振られることになる。このタイミングで記録したタイムが自己ベストだった石浦は、当該タイムを抹消されまさかの15番手。Q2進出を逃すこととなった。一方国本も最終ラップで自己ベストを更新。12番手ながらQ2進出を決めた。
10分間のインターバルを経て行われたQ2でも、コースアウトした車両がいたため残り時間約1分で赤旗中断となる。今回は、出走した14台のうち約半数はアタックラップを記録していたが、残る半分はベストタイムを記録できておらず、残り時間を3分に延長されてセッションが再開されるとこのマシンたちが一斉にタイムアタックに向かっていった。国本は中断前に暫定3番手タイムを出しており、セッション再開後はピットにとどまり周囲の動向を伺うことに。結局国本のタイムを上回るものは出ず、3番手でQ3進出を決めた。去年の最終戦に続きQ3でポールポジション争いに加わった国本は、最後の7分間のセッションでも速さを見せる。すでにアタックを終えた2台のタイムを上回り、1分37秒820で暫定トップに浮上。最終的に1台に逆転を許し、目指していたポールポジションは獲り逃すこととなったが、開幕戦優勝を十分に狙えるフロントローグリッド獲得に成功した。
ドライバー/#1 石浦 宏明
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「午前中の走行だと、良くて3~4番手かなという感触だったので、もっと手ごたえのあった昨日のセッティングに変えて予選に臨みました。黄旗区間で速度を緩めても全体の2番手タイムだったので、普通に走っていればトップタイムだなと思っていました。結果的にタイム末梢となったことは残念です。この位置から抜いていくのは難しいでしょうね。去年の富士でのレースのように、最終的に前に出られるよう、もちろん自力でのオーバーテイクもチャレンジしますが、上手く戦略がはまればなと思います。ヨコハマタイヤでのロングランは、たぶんどこのチームにもデータがないので、少しでも周りよりもタイムの落ち幅が少ないクルマにできるよう、明日の朝しっかりと分析してレースに臨みたいと思います」
- ドライバー/#2 国本 雄資
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「結果を見てみるとものすごく僅差で、しかも赤旗中断や黄旗提示など、どのタイミングでノックアウトされてもおかしくない状況でした。難しい予選でしたね。でも、Q1からQ2、Q3にかけてセッティングの方向もいい方向に進みましたし、最後のQ3でのアタックでちゃんとタイムを削ることができました。実は金曜日の走行では3番手でしたが、トラブルも抱えていました。チームがいろいろ見直してくれて、100%に近いぐらい改善したので、今日は自分の走りとクルマを見極めることに集中できました。ポールポジションを獲るためにいろいろと準備してきたので、(獲れなかったことは)とても悔しいですが、フロントローからスタートできるので、優勝できるチャンスは大きい。集中して、明日は優勝するために走ります」
- 監督/立川 祐路
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「なんとなく、いい時の国本が戻ってきつつありますね。Q2ではセッション再開後、Q3に向けたセット変更の感触を確認するために走るという選択肢もありましたが、本人が「中古タイヤで確認走行するよりも、新品タイヤのグリップのイメージを頭に残したままQ3で走りたい」という判断をしたので、ピットで待つことにしました。結果として、Q3でしっかりとタイムを出して、その判断を活かせたことも良かったですね。明日は最低限表彰台には上がりたいし、優勝を目指します。
石浦は、本当に運がなかったとしか言いようがない。連覇に向けた試練だと考えます。ただ、レースで抜いてくるのは難しいかもしれませんね。ピット戦略等で何とか前に出たい。少しでも前でゴールしたいですね」 - 総監督/浜島 裕英
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「国本の2番手はよくやったという結果ですね。石浦は、黄旗の不運があって15番手となってしまいましたが、クルマは良くできているので明日はしっかり走ってもらうだけ。上位フィニッシュも望めないことはないと思います。まだどこのチームもロングランのチェックをしていないですから、明日の朝の走行で(ロングランを)やってみて、そのデータをいち早く分析したチームに、前に出るチャンスが出てくると思います。アンダーカットができそうなタイヤに思えますしね。明日はそういう点にも注目してみてほしいと思います」