SUPER FORMULA Rd6 SUGO 2016年9月25日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:晴れ | コース状況:ドライ
- SUPER FORMULA 決勝
- #1 石浦 宏明 16位 / #2 国本 雄資 15位
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2016年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦は、青空が広がる日曜日の午後、スポーツランドSUGOで決勝レースが行われた。予選で力を発揮できず挽回を誓っていたP.MU/CERUMO・INGINGだが、マシントラブルやセーフティカーのタイミングにリズムを乱され、石浦宏明が16位、国本雄資が15位という結果に終わった。
前日の予選では予想外の展開となったP.MU/CERUMO・INGING。仕切り直しで迎えた決勝日は、午前9時30分からのフリー走行で始まった。レースに向けたピット作業のシミュレーションやロングランのチェックなど、一通りのメニューをこなしながら周回を重ねる2台。夜半の雨でコース上にはところどころ濡れている箇所も残っていたが、徐々に路面状況は回復し、それにつれてタイムも削られていった。最終的に国本がセッション前半の5周目に1分7秒963をマークし5番手に、石浦は終盤の12周目に記録した1分8秒217が自己ベストタイムとなり11番手となった。
日差しはどんどん強くなり、午後には気温が27℃、路面温度は34℃まで上昇。初夏のような陽気の中で、68周の決勝レースがスタートした。フォーミュラのレースでは抜きどころが少ないと言われるSUGOでは、スタートは勝敗を決める重要なファクター。ここに狙いを定めていた二人だが、10番手スタートの石浦はクラッチにトラブルが発生し出遅れてしまう。国本も、動き出しこそ良かったものの、1コーナーまでの集団状態で行き場をなくしポジションダウン。石浦が14番手、国本が18番手でオープニングラップを終えた。レース序盤は集団の中でなかなかペースを上げられずにいたが、10周が終了したあたりから燃料補給のピットインに向かうマシンが出はじめ、11周目には石浦の前にいた2台がピットイン。これで目の前がクリアになった石浦はペースアップし、1分9秒半ばから前半と上位陣に引けを取らないタイムを刻んでいく。ここでペースを上げてからピット作業に向かう予定だったが、18周目にJ-P.デ・オリベイラのマシンがコースサイドでストップしてしまったことにより、セーフティカーが入ることに。残りのレース展開を考えても、ピットインのタイミングはセーフティカーにキャッチされる前しかない。チームはこの時点で5番手を走行していた石浦、8番手を走行していた国本の2人を同時にピットに呼び戻し、連続でのピット作業を決断した。ところが、同じタイミングで隣のピットのチームもピット作業を選択。石浦はピットの作業エリアにマシンを止めるために大きくステアリングを切らなければならず、そこでクラッチからわずかに指が離れてしまいエンジンをストップさせてしまった。これにより、後ろで待機していた国本も合わせてストップ時間を延ばしてしまい、2台は16番手、17番手でコースに復帰することになってしまう。石浦はさらに、コース復帰後もマシントラブルに見舞われ一時スローダウン。ここで国本と順位が入れ替わり、国本16番手、石浦は17番手からレース後半を戦っていくことになった。思わぬアクシデントで順位を下げた2台だが、前のマシンとのギャップも開き自分のペースで走行ができる状況になったことでペースは上向きに。それまで1分9秒台にとどまっていた自己ベストタイムも、国本が63周目に1分8秒384、石浦が64周目に1分8秒608と、そろって1分8秒台まで更新。更に国本は64周目にセクター2で全体のベストタイムを記録してみせた。しかし他車とのバトルにまでは持ち込むことはできず、2度目のピット作業に向かった1台が順位を下げたことにより国本15位、石浦16位でチェッカー。目標としていたポイント獲得は叶わなかったが、依然としてシリーズランキングでは国本が2位、石浦は5位でタイトル獲得の権利を有している。「最終戦まで2台揃ってタイトル争いに残る」というシーズン当初の目標は達成しており、残る鈴鹿大会でドライバーズチャンピオン、そして現在ランキングトップであるチームチャンピオンのダブルタイトル獲得を目指す。
ドライバー/#1 石浦 宏明
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「クラッチ系のトラブルでスタートは出遅れてしまいました。セーフティカーが入ったことで“このタイミングで入るしかない”ということになったピットインでも、他のチームとのピットの位置関係とピットに入ってきたタイミングでエンジンストールを招いてしまいましたし、その後も別のマシントラブルが起きたりと、なかなかうまくいかないレースになってしまいました。ポジティブにとらえれば、今回のトラブルが最終戦や、トップを走っているときじゃなくて良かったと言えるかもしれませんが、それでも優勝した関口選手のクルマはペースも違っていましたから、最終戦でそういったドライバーたちとしっかりと戦えるよう、ここから準備をしなくてはいけないですね。鈴鹿は開幕戦でも走っていますが、あの時と同じ状態で持って行っても勝負にはならないので、今回までの結果を見ながら、しっかりと最終戦に向けて考えていきたいと思います」
- ドライバー/#2 国本 雄資
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「スタートはうまく決まったのですが、行き場をなくして順位を下げてしまいました。その後は前後に他のクルマがいる状態でしたし、なかなか自分のペースで走ることができず淡々と周回が進んでいく状態でした。クルマの状態も、求めているような速さではなく、厳しいレースになりました。それでもシリーズランキングはまだ2番手にいます。最終戦の鈴鹿ではポールトゥウィンをするつもりで準備していきます。チャンピオンを獲るためにこの1年頑張ってきました。だから悔いの残らないシーズンにするためにも、最終戦までの1か月ちょっとという長いインターバルでじっくりと準備をしたいと思います」
- 監督/立川 祐路
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「ピットインの状況ですが、石浦がエンジンストールしてしまった場所は給油ホースが届かない位置だったこともあり、大きなロスとなってしまいました。それが全てですが、他にもいろいろとトラブルが出てしまいました。振り返ると基本的に速さも足りず、うまくいかない週末でした。こういう苦しい時に何とか少しでもポイントを獲りたかったので、それができなかったのは非常に残念です。今日の関口選手とインパルチームはセーフティカーが入ったことで築いてきたマージンが消えるという逆境を跳ね返して勝っていました。あのような強さを、僕たちのチームでも出さなければ。最終戦の鈴鹿はこことは全く違うサーキットですから今日と同じような展開にはならないと思いますし、他のチームに負けないよう最終戦も頑張ります」
- 総監督/浜島 裕英
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「セーフティカーのタイミングでもう少しいい順位につけられる可能性はありましたが、石浦がエンジンストールしてしまい、それに国本も影響されてしまいました。それと、クルマのポテンシャル的にも遅かったですね。関口選手の速さには全く届いていませんでした。十分に分析して次につなげなければいけません。鈴鹿はすでにデータもありますし、また違う展開を期待します。とにかくチーム一丸で最終戦に向けて頑張っていきたいと思います」