SUPER FORMULA Rd7 SUZUKA 2015年11月7日 <予選>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:曇り | コース状況:ドライ
- 第1レース #38 石浦 宏明 2位 / #39 国本 雄資 11位
- 第2レース #38 石浦 宏明 7位 / #39 国本 雄資 8位
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全7戦でシリーズチャンピオンを争うスーパーフォーミュラも、いよいよ最終戦を迎えた。レースフォーマットは例年の最終戦同様、2レース制を採用している。P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明は、第2戦以降ランキングトップを走り続け、現在2位との差は6ポイント。3位以下は14ポイントと大きく引き離しているが、2レースともにポールトゥウィンを飾ればボーナスポイントを加算して18ポイントを手に入れることができるため、ランキング上位4名に戴冠の権利が残されている。とはいえ、実質は石浦と、ランキング2位の中嶋一貴との一騎打ちが大方の予想を占めていた。
気温18℃、路面温度20℃というコンディションで始まった予選日午前中のフリー走行では、石浦の初戴冠を後押しするかのように国本が好調ぶりを見せた。走りはじめのタイムから全体の上位に位置し、セッション中盤には1分40秒857で8番手に。更にピットでマシンの微調整を行いタイムアタックに臨むが、セクター1で全体のベストタイムを記録したタイミングで、デグナーで他車がクラッシュしたためいったん速度を落とすことになった。それでもマシンに手ごたえを感じた国本は、セッション終盤には1分39秒586までタイムを縮めトップに躍り出る。さらに、各車が予選アタックのシミュレーションに入った残り時間5分を切ると、ラストアタックでわずかに自己ベストタイムを縮め、最終結果は6番手タイムとなった。一方、タイトル獲得に向けて注目を一身に浴びる石浦は、走りはじめこそ1分40秒後半のタイムで国本よりも下位の順位にとどまりつつマシンチェックを行っていたが、こちらもラストアタックで1分39秒392を記録し一気にトップ浮上。最終的には3名に更新され4番手タイムとなったが、ポールポジションに向けて上々の手ごたえを感じてフリー走行を終えることとなった。
2レース制の今大会では、Q1のリザルトでレース1のスターティンググリッドが決定する。つまり、「Q2に進出できるタイムであればいい」という通常のセッションと異なり、ファンにとっては序盤から熾烈なポールポジション争いが楽しめることになるのだ。石浦にとっては、ポールポジションを獲れればもちろん、ここでランキングのライバル勢より前に出ていくらか余裕を持った心境でレースに臨みたいところ。
午後1時30分。気温20℃、路面温度22℃、曇り空のもとで予選Q1がスタートした。まずは各車が中古タイヤでコースコンディションを確認しつつアタック敢行。計測2周目で、石浦が1分39秒581をマークしトップに立つが、すぐさま国本が1分39秒578と僅差でトップを奪取。その後2台が国本のタイムを上回り、国本3番手、石浦4番手でピットに戻ってくることとなった。残り6分を切り、全車が本格的なアタックに入る。P.MU/CERUMO・INGINGの2台は、国本が比較的早めの3番目に、石浦が7番目にアタックラップに入った。国本が1分38秒878でまずはトップタイムをマーク。その後2台がトップタイムを塗り替え、さらに石浦が1分38秒392でトップに躍り出た。残るアタッカーは3台。そのうち、ジェームズ・ロシターは石浦と1000分の1秒まで同タイムをつけ2位に。続くアンドレ・ロッテラーは石浦のタイムを100分の4秒上回り逆転トップに立ち、石浦は2位へと後退する。残る中嶋一貴は5番手となり、レース1の予選グリッドが確定。石浦はフロントローポジションを獲得し、国本は11位となった。
レース2の予選グリッドは、通常通りQ2、Q3の争いで確定する。Q1で2番手の石浦、11番手の国本は揃ってQ2進出を決めると、そのQ2では石浦が5番手、国本が7番手で、2戦ぶりに2台揃ってポールポジション争いへと進出した。Q3では先頭でコースに入っていった国本が1分38秒566とレースウィーク中の自己ベストタイムを更新したが、ポールポジションは1分37秒を切るタイムで、国本のグリッドは8番手。石浦も国本のタイムは上回ったものの、7番手にとどまることになった。注目のチャンピオン争いは、ポールポジション獲得で望みをつないだアンドレ・ロッテラーがレース1で、レース2ではロッテラーに加え中嶋一貴も石浦の前に立ちはだかることになった。だが、石浦を見守る立川監督は「とにかくレース1で勝つつもりで行く」と変わらぬ攻めの姿勢を見せる。状況によってはレース1で石浦の初タイトルが決まる可能性もある決勝日。チーム一丸となってまずは優勝を目指す。
ドライバー/#38 石浦 宏明
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「フリー走行の感触で、少し周りに対して負けているなという印象はありましたが、それもいつも通りというか、予選でニュータイヤを履くことを考えるとそんなに悪くもないのかなという手応えだったので、微調整をして予選に臨みました。Q1では、自分の走りも良かったと思うしグリップ感も感じていたのでポールポジションが獲れたかなと思ったのですが、負けてしまいました。ポールポジションでの1ポイントが欲しかったので残念ではありますが、接戦の中でしっかりと上位グリッドを獲れたのは良かったです。そこからQ2、Q3なんですが、これまではコンディションが良くなっていくにつれてのタイムの上がり幅が、僕は周りよりも大きかったんですが、今回はあまりフィーリングが変わりませんでした。ミスはしていないのですが、明日に向けて見直さなければいけませんね。理想では、(チャンピオン争いが)レース1で決着がつけばいいなと思いますが、天候も分からないし、周りはみんな速いですからやってみないと分からない。とにかく、全力でレースを戦えればと思います」
- ドライバー/#39 国本 雄資
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「鈴鹿は自信を持って行けるサーキットだと思っていて、実際にフリー走行でもいいフィーリングを得られたし、うまく乗れているなという感覚はあったのですが、予選に入ってニュータイヤを履いたところで少し沈んでしまいました。予想していたよりもバランス変化が大きく、Q1ではそれに合わせきれずに前の方のポジションを逃してしまいました。Q2、Q3と走って、ようやく最後のQ3で合わせこめたかなと思ったのですが、もう少し攻めたセッティングにしても良かったのかなと感じています。今シーズンここまで、なかなか予選で思ったようなグリップ感を得られずに来ましたが、今回はバランスこそ合わせきれませんでしたが、中古タイヤでもいい感触をつかんでいます。明日の天候は微妙ですが、コンディションにしっかりと対応できればと思います」
- 監督/立川 祐路
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「石浦に関しては、どこのコースに行っても安定して速さを見せています。この安定感がチャンピオンシップをリードしてこられた要因だとも思っていますし、今日も出だしから好調でした。Q1は、本当に”惜しくも…“という感じでしたね。できればポールポジションを獲りたかったですが、レース1自体の優勝やチャンピオンシップを考えると悪い位置ではないです。一方レース2のグリッドは予想よりも下位になってしまいました。Q1が一番よく、Q2、Q3と少し伸びが足りなかった印象です。ただ、まずはレース1を勝つことを考えています。ポイントランキングではリードしていますが、周りはチャンピオン経験者。そういう意味では、我々はチャレンジャーなんです。追われる立場というよりも、チャレンジャーという意識で、まずはレース1を戦っていきたいですね。
国本は、もう少しいいポジションを期待していたぐらい今週は調子がいいです。石浦と変わらないペースも見せていましたし、ユーズドタイヤでのタイムも良かったので、レースでも速さを見せられると思います。Q1では若干の失敗もあって予選位置が後ろになりましたが、Q3まで残りましたし、本来の、いい時の国本が戻ってきたという感じです。明日は今年最後のレースになりますが、2台揃っていいレースをしたいと思います」