GT300 OFFICIAL TEST SUZUKA 2016年7月8日-9日
- 公式テスト
- #51 JMS LMcorsa 488 GT3/都筑晶裕・新田守男 ・脇阪薫一
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AUTOBACS SUPER GTシリーズの公式テストが 7月8-9日に、鈴鹿サーキッ トで行われた。開幕戦では5位、第2戦は6位と 、コンスタントに上位につ けている「JMS LMcorsa 488 GT3」にとって、約1か月前に公式テストが行われたスポーツラン ドSUGO とともに、鈴鹿はテクニカルコースとして知られ るだけに、コーナリングマシンには大量得点の連続機会でもある。今回のテストでも、多くの収穫が得られることが期待された 。なお、今回も都筑晶裕と新田守男に加え、アドバイザーも務める脇阪薫ーが鈴鹿では第 3 ドライバーとして登録されるため、普段以上に周回を重ねる予定となっていた。
ところが、結論から先に言うと、セッション 2の開始から間もなくエンジン制御系に トラブルが発生。その対応に追われ続け、当初予定されていたメニューをすべてこなすことができす。本戦に向けて、―抹の不安 を残すこととなってしまった。
前回の公式テスト同様、セッションは午前と午後の 2回、2日間で4セッション 実施され、合計8時間の走行が予定されていた。初日のセッション 1開始時の 気温は 27度、路面温度は 30度。蒸し暑くはあるのだが、本戦が 8月末の開催 とあっては、もう少し高めでいい ぐらい。ただ、そこは全チームにとって 条件は 一緒であるだけに 、しっかりアジャストできることを想定した上でのテスト開始となった。"
いつものように、最初に「JMS LMcorsa 488 GT3」のステアリングを握ったのは新田だった。確認走行を行なった後、セットアップを開始。ピットに戻る たび調整を重ね、クルマの状態は徐々 に良くなっていく。31周もこなした後、 脇阪にバトンタッチ。ちなみに新田のベストタイムは2分0秒029で、トッブ か らも大きく遅れ克大きな手応えも感じることができた。そして脇阪もロングランシミュレーションを行って計22周走行して、2秒732をマークする。
午後のセッション 2では気温が28度、路面温度も 33度とやや上がっていた 。まずは引き続き新田が最初にチェックを兼ねて走行 。8周して2分2秒217をマークしたところでピットに戻り、いよいよ都筑 の番となった。回を重ねると、持ち前のスピードに安定感が加わってきただけに、今回もチームスタッフを唸らせる走りが期待された。ところが、走行開始から間もなく 、先に触れた 制御系のトラブルが発生。なかなか連続走行が許されす、また対 応に追われることに・・・・。それでも30周走って 1秒885をマーク。本来予定していた予選シ ミュレーショ ンができなかったのは残念ながら、セッティングを含めて方向性を都筑がつかみ、まだまだ詰められる部分を見つけたのは少なからぬ収穫となった。
これで2日目もドライコンディションで、トラブルも解消されていれば、より多くの収穫もあったのだろう 。しかし、天気予報がしっかり当たって、朝か らあい にくの雨模様。とはいえ、鈴鹿のレースは1000km、約6時間もの長丁場。途中の天候変化は過去にも何度もあり、なおかつ「JMS LMcorsa 488 GT3」に とってはウェ ッ トコンディションを走るのは初の機会。これもありだと思われ たものの、セ ッ シ ョン 3は強い雨に見舞われてしまう。2週間後 にSUGOの レースが控えていることを考えれば、無茶は禁物とピッ トで待機。も し、弱く なったら走ろうと準備だけは整えるも、一向に勢いは衰えす。そのため、このセッションは 1周も走行することなく終了することとなった。"
だがそれから2時間半後のスタートとなったセッション4では、だいぶ雨が普通の降り方となったこともあり、新田がさっそくコースイン。トラブルは解消 されておらす、本来の調子ではなかったものの、タイヤ選定だけは行うことが でき、新田は13周走って2分14秒462をマーク する。もちろん納得 のタイム ではないが、ウェ ッ トバフオ ーマンスの高さには手応えを感じることもできた。そして、都筑にバトンが託され るも、赤旗中断もあって確認作業を行うのが精いつばい。それでも本戦でいきなりウェッ トコンディシ ョンを走るのでは なく、微妙な状 態をここで経験できたのは問違いなくプラスに作用するはす だ。6周だけの走行 に留まった都筑ながら 、14秒981と新田とも遜色のないタイムを記録した。
結局、最後まで制御系のトラブルは解消されなかったが、本戦にはミケロットから派遣されるエンジニアによって対策が施され、問題は解消されるはす。 まずはSUGOでのシリーズ第4戦で勢いをつけて、鈴鹿で の第5戦で好結果 を残すことが期待される。
ドライバー/都筑晶裕
初日はマシンとの同調 を短い時間のうちに行 うことと、予選を意識 した走りができれば、と思っていたのですが、走行開始からスロットルトラブルがあり、その後ピックア ップを拾ったタ イミングで赤旗が出るなど 、走行シミュレーションにも、もう少し時間が欲しかった のが本当 のところですが、セ ッ ティングも含めて方向性が見え、まだまだ詰められる ポイン トが確認で 来たのは良かったです。2 日目は488GT3 にとって初めてのウェ ットタイヤ装着でのパフォー マンスチェ ッ クを行うはすが、またも トラブルで確認作業だけで終了となって しまいました。ただ、自分としては少ない時間でも走れたのは、データ収集も含め、 良かったのではな いかと 思い ます。今回のテストでは2 日目が雨で走行時間が短かったこともあり、マ シ ンが 自分の思った とおりに動いてくれない感じがありました。さすが難攻不落のサーキッ トと言うか……。ただ、 方向性は見えているだけに、レースはいいところに行けると確信しています。 鈴鹿のレースは 最も注目度も高く、重要なレースです し、地元も近く多 くの友達も来てくれる予定ですから、表彰台目指して頑張ります。
ドライバー/新田守男
ちょっとトラブルが出て調子が良くなくて、あまりいいテス トにはなりませんで した。クルマ自体のバランスは鈴鹿にも合っているのは確認できたんです が、セッ トの方向性を完璧に見つけ るところまで行けなかったのが残念です。とはいえ、前回テストを行 ったSUGO と鈴鹿 は、方 向性がほとん ど一緒で、いいところ が見つけられてはいるので、それほど僕として は心配 して いないんですけどね 。雨の中、午前中はあまりに強く 降つていたので、無茶して何かあって 2週 間後のSUGO に出られなくなったら …•••というのがあ ったので率 先 しては走 らなかったんですけど、午後になって弱くなってきてからは、ウェットもそんなに悪い感じ じ ゃなかったように 思います。全体的にタイムは制御系トラブルのせいで 伸び悩ん だんですけど 、実際のところは テス トほど悪くないんじ ゃないでしょうか。長い距離のレースとあって、サバイ バルのレ ースに なると思うので、本当にミスのな いレースをすれば表彰台、場合 によっては優勝 も狙えると 思います。応援、よろ しくお願いし ます I"
ドライバー/脇阪薫一
ピットを出たところから無線が通じず、それはまぁ、そういうこともあると思っていたので、大きな問題ではなかったんですけど、その後に接触もなく、右のミラーが下に向いてしまったんです。右のミラーがないというのは右回りの富士では、かなりマイナスでGT500を行かせるという部分において、かなり手こずりました。もし、それがなかったら、5位だったんじゃないかというのはありましたね。ただ、しっかり走り切って、自分でも多く分かったところがあったので、次に乗る予定の鈴鹿に活かしていきたいです、勝つことしか考えていませんので。
監督/小林敬一
今回のテストからコン ピュータのマッ プがアップデー トされたんですが、そのシステム上に トラブルがいろいろ出ちゃって、思うように走れませんで した。トラクシ ョンコン トロールが早く 効いたり、エンジンの息尽き状態が出たりして、対応に時間を多く取られてしまいま した。本当 は都筑選手にもっと乗ってもらって、鈴鹿は今までのコースより全体的に車速が高いので慣れて もらったり、500のクルマとの絡み方を学んだりして 欲 しか ったので 、そこは申し訳なく思 います。鈴鹿とクルマの相性が悪くないのは、 S耐で僕も見ていて情報も得られて いるので、そこはあんま り心配 していません。雨の中であま り走れ ませんで したが、厳 しい状態の中で も夕 イヤのチェ ッ クはできま したし、 トラブルが解消されればし っかりドライでも走れるで しょう。 近頃、JAF-GTとMCが別格に速いんですけど 、鈴鹿では きっちり結果を残していきたいと思います。