SUPER FORMULA 2014年4月13日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:薄曇り | コース状況:ドライ
- 決勝結果
- #38 石浦 宏明 3位 / #39 国本 雄資 13位
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マシンが一新した新生SUPER FORMULA。そのシーズン開幕戦で、これが復帰初戦となる石浦宏明が快走。6番手グリッドから着実にポジションを上げ、3位でチェッカー、表彰台を奪った。一方、国本雄資は速さを見せたものの、予選と同様不運な流れに翻弄されてしまい、クラッシュでレースを終えることになった。
金曜日、土曜日と同様、日曜日は晴天で明けた。併催レースである2輪のロードレース、JSB1000クラスのウォームアップ走行に続いて午前9時05分から35分間のフリー走行セッションが行われた。このセッションでは各チームが、それぞれのメニューで走っているから、このタイムのみで決勝を占う訳にはいかないが、フィーリングが良ければ当然、大きな手応えを掴むことになる。P.MU/CERUMO・INGINGの2台はセッションの最後までマシンのファインセットを求めて走行とピットインを繰り返した。
決勝レースが近づくにつれ、空には白い雲が拡がっていったが雨の心配はなくドライコンディションでレースはスタート。コンディション的には曇り/ドライのまま、気温と路面温度も16℃/20℃前後で安定していた。新システムであるハンド・クラッチを使うことで、波乱も予想されたがスタートは大きな波乱もなく、レースは開始された。6番手グリッドからスタートした石浦宏明はポジションを一つ落としたものの、7番手をキープしたまま序盤を戦うことになった。一方、12番手グリッドからスタートした国本雄資は、スタートで1ポジションアップさせると、5周目と6周目に1台ずつパス。10周目のシケインではさらに1台をパスして早くもポイント圏内に進出を果たしている。
15周目のS字コーナーでスピン、コース上に停まったマシンがでたためにセーフティカーが導入されると、間髪をいれずに多くのマシンがピットイン。タイヤ交換とガソリン補給のルーティンワークを行った。チームはとっさに判断して7位走行中の石浦と8位走行中だった国本を同時にピットインさせることになった。もちろん、2台のルーティンピットを同時に行うことは不可能で、石浦の38号車への作業が終わるまで国本はピットロードで待たされることになり、大きなタイムロスを喫することになった。ただし、もう1周ピットインを遅らせていても最後尾まで後退したのは明らかで、これはもう運不運と割り切るしかなかった。
レースがリスタートした時点でのオーダーは中嶋一貴、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、アンドレ・ロッテラー、ジェームス・ロシター、ロイック・デュバル、山本尚貴に次ぐ7番手に石浦がつけていたが、中嶋とデ・オリベイラはまだピットインを済ませていなかったから、石浦は事実上、5番手を走ることになった。そしてまずは山本を追い詰めて行き、30周目にはこれをパスしたが同じ周にトップ2台がルーティンのピットインを行ったために石浦は4位に進出することになった。この頃になるとライバルもペースダウンしてくるが、石浦のペースは鈍ることなく、コース上の誰よりも速いペースで周回を続けることになる。そしてレースも大詰めの42周目には、タイヤを痛めてペースの上がらないロッテラーをパス。これで表彰台圏内に進出した。
一方の国本も、順調なペースで着実にポジションアップ。35周目にポイント圏内となる8位に進出すると、38周目には6位にまで駒を進めていた。だが、この週末は不運な流れに翻弄され続けた国本だったが、石浦が表彰台圏内に入ったちょうどその周、1コーナーで後方から追い上げてきた中嶋一貴と1コーナーで接触、コースサイドのスポンジバリアーにクラッシュして、不運なレースウィークを終えることになった。
明暗が分かれた格好の2人のドライバーだが、国本に大きな怪我がなかったのは不幸中の幸い。次回の富士までは少し時間的にも余裕があることから、チームでも、マシンのリペアも含めて完璧な準備ができると太鼓判。2人のドライバーはともに富士を得意としており、2人揃っての表彰台も期待できそうだ。
ドライバー/#38 石浦 宏明
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「スイフトに比べると、ダラーラの方が(前を行くマシンに近付いた時に)挙動を乱すことが少ないのですが、でもやはり簡単には抜くことはできないですね。特に鈴鹿では(オーバー・テイク・システムの)効果を発揮させづらくて、(レース中に5回だけ使用できる)オーバー・テイク・システムを使いきってしまった時には少し焦りました。ただ、僕のクルマはリアタイヤに優しいセッティングだったから、他のクルマがリア(タイヤ)がタレて来た時にも、僕はタレることもなくオーバーテイクできて、3位表彰台を奪うことができました。復帰初戦で、目標は表彰台と思っていたので、先ずは目的を達成できました。(表彰台が)外国人ドライバーに占拠されるのを防ぐことも出来て、それも嬉しかったですね。次回の富士は、僕が得意なコースです。クルマは変わっていますがチームにはデータも充分あって去年もスプリントカップでは国本が優勝しています。今日は復帰初戦で表彰台に乗って、皆を驚かせることになったと思いますが、次回は(優勝して)もっと驚かせたいと思います」
- ドライバー/#39 国本 雄資
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「この週末は流れも悪かったのですが、やはり予選がすべてでしたね。今年のダラーラは、去年までのスイフトに比べてパッシングし易い、と言われてますが、確かに前を行くクルマに近付いて行っても(ダウンフォースの)抜けが少ないですね。ピットインで最後尾まで後退しましたが、そこから1台、また1台とパッシングしてポジションを上げることができました。でも同じトヨタ・エンジンを使用するマシンと争ってはいないので、ハッキリ断言できる訳じゃないです。悔しい結果に終わりましたが気持ちを切り替えます。次回の富士は去年(特別戦のスプリントカップで)勝っているサーキットで、テストでも良い手応えを掴んでいます。今回はチームが用意してくれたクルマをゴールまで持っていくことができず、(クラッシュで壊して)迷惑をかけたので、次こそは。幸い、少しインターバルが長いのでクルマを直してもらって良い状態でレースして、表彰台を目指したいです」
- 監督/立川 祐路
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「38号車は今週良い流れできて、石浦(宏明選手)の復帰初戦で表彰台を奪うことができて、良かったです。ドライバーはもちろんですが、メカニックもエンジニアも、チームのスタッフ全員が良い仕事をしてくれました。それが結果に繋がったのだと思います。マシンが一新されて最初のレースで、応援してくださっている皆さんに、まずは表彰台という結果をお届けできて良かったです。どうもありがとうございました。その一方で39号車も、予選まで上手くいってなかったんですが、決勝ではペースも悪くなかった。どんどんオーバーテイクして順位を上げて行ったんですが、セーフティカーが入って2台同時にピットインとなってしまいました。結果的に国本(雄資選手)の方が割を食った格好になりましたが、ただレースの作戦としては、ああするしかなかったし、ポジション的に近いところを走っていたので、よりタイムロスも大きかった。それでも国本は、ピットアウト後も頑張ってポジションを上げて行ってくれたんですが、最後は追い上げてきたマシンと接触、コースアウトしてレースを終えることになりました。激しいクラッシュだったんですが、先ずは国本が大した怪我もなかったことは幸いでした。クルマは直すことができるので…。次回の富士までにちゃんと直して、良いレースができるように準備します」
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