SUPER FORMULA 2014年5月18日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:晴れ | コース状況:ドライ
- 決勝結果
- 第1レース #38 石浦 宏明 リタイア / #39 国本 雄資 5位
第2レース #38 石浦 宏明 11位 / #39 国本 雄資 7位
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2戦目を迎えたSUPER FORMULA。通常とは異なりレース距離約115kmのレース1と約160kmのレース2の1大会2レース制で行われ、P.MU/CERUMO・INGINGの2台をドライブする石浦宏明と国本雄資、2人のドライバーも懸命なドライビングを披露した。第1レースでは4番手グリッドからスタートした国本が粘り強い走りで5位入賞を果たす。国本は第2レースでも予想外の苦戦は強いられたものの7位でチェッカーを受け、リタイアに終わった開幕戦の“借りを返す”格好となった。一方、予選で下位に沈んだ石浦は、一度崩したリズムを修正できないまま、第1レースではオープニングラップにアクシデントでリタイア。第2レースでも速さは見せたものの、第1レースのアクシデントでペナルティを課せられ、下位に甘んじてしまった。
金曜日、土曜日と同様、日曜日は晴天で明けた。1大会2レース制で行われる今回は、朝のフリー走行を走ることなく、午前10時5分からレース1がスタートする。レーススタート時には気温と路面温度がそれぞれ22℃/33℃。チェッカー時には22℃/34℃とほぼ一定で、もちろんドライコンディションだった。4番手グリッドからスタートした国本は、スタートで少し出遅れたものの1周回ってくるまでには元のポジションに復帰した。だが2周目の13コーナーでアンドレ・ロッテラー選手に先行を許してしまい5番手にポジションダウン。その後は、後方から追い上げてくるマシンとの攻防戦を展開するが最後までノーミスで走り1秒差で逃げ切って5位入賞を果たすことになる。
一方、7番手グリッドからスタートでジャンプアップした石浦は、ロッテラー選手と先を争いながら1コーナーにアプローチしていくが、ここで押し出されてしまいポジションダウン。さらに13コーナーで平川亮選手のインを突いてパッシングを試みるが姿勢を乱してしまい平川選手と接触。両者ともにここでリタイアとなってしまった。さらに、この接触に関して石浦にはドライブスルーペナルティが課せられてしまう。本来ならば、レース1のうちに消化されるはずのペナルティだったが、オープニングラップでリタイアしていたために、レース2のスタートから3周目までに消化すること、と但し書きがつき、これで事実上、レース2の権利も失ってしまうことになった。
サポートレースを終え、大盛況のピットウォークを挟んで、午後1時50分にはレース2のスタート進行が始まった。レース2の決勝スタートは午後2時半。この時点での気温と路面温度は、それぞれ21℃と32℃。レース1よりもレース距離が延び、レースタイムは50分余りとなったが、やはりコンディションはほぼ一定で、チェッカーが振られた時点でも20℃と30℃というコンディションだった。
スタート進行の中で行われるウォームアップでは石浦と国本が2人揃って快調なペースを確認。1分27秒台前半の好タイムで、ポジション的にも4~5番手。決勝レースに期待を繋ぐことになった。
レース1と同様、4番手グリッドからスタートした国本は、ひとつポジションを落としてしまい、5位でオープニングラップを終えると、さらに3周目にはジェームス・ロシター選手の先行を許してしまう。その後、何度もロシター選手をパッシングしようとする国本だったが簡単には抜くことができない。そこでチームではルーティンのピットインを早めるよう作戦を変更。5周を終えたところで国本はピットイン。タイヤを4本交換すると最低限のタイムロスでピットアウト。16番手でレースを再開すると、以後は粘り強く走行。上位陣がルーティンのピットインを行うたびに一つ、また一つとポジションをアップ。その間も、先行する平川亮選手を何とか抜こうとトライを続けた国本は、15周目の1コーナーで何とか逆転を果たしている。ただし、平川選手をパスするのに手間取った分、さらに上のポジションを狙うには35周のレースは短すぎた。結局、そのままポジションをキープして7位でチェッカーを受けた国本は、レース1の5位入賞と合わせて3ポイントを獲得。ランキングでも8位となっている。
一方、スタート直後にドライブスルーペナルティを消化した石浦は。これで上位入賞の望みは断たれてしまったが、次回、約2カ月後に、ここ富士で行われるシリーズ第3戦に向けて、より多くのデータを蓄積しようと渾身のドライビングを続ける。ルーティンピットのタイミングで一時は2番手まで進出した石浦は、19周目にピットインを終えて14番手で再スタートすると、なおも3台をパスして11位でチェッカー。ポイントには届かなかったがベストラップでも、レースのファステストラップをマークしたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手のベストラップに0.03秒差で2番手となる好タイムをマーク。今更ながら、ペナルティが悔やまれる結果となった。
不運なハプニングに泣いた石浦はもちろん、2レースともに入賞を果たした国本も、本来のポテンシャルを結果に繋げた訳ではなく、その分悔しさの残るシリーズ第2戦となったが、同じ富士スピードウェイで開催される第3戦に向けて、心強い材料は充分揃えることができた。今回の不遇を、跳躍前の辛吟とポジティブに受け止めよう。そして次回こそ、2人が表彰台に立つことを期待したい。
ドライバー/#38 石浦 宏明
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「1レース目は上手くスタートダッシュを決めてアンドレ(・ロッテラー選手)と並ぶところまでは行けました。でも並んで入っていった1コーナーでアンドレに押し出されてしまいポジションをダウンさせてしまいました。それで何とか挽回しようとプッシュして行って、13コーナーで平川(亮選手)のインを刺したんですが、姿勢を乱してしまいました。何とかステアリングで修正はできたんですが、今度はオーバーステアが出てしまって…。あれは完全に僕のミスでした。平川にもチームにも申し訳ないことをしてしまったと、と思っています。でもそのペナルティ(2レース目がスタートしてから3周以内にピットロードを通過するドライブスルーペナルティを消化することが課せられた)はちょっと厳しすぎるくらいで、これで事実上、2レースも失ってしまいました。でも1周でも多く走ってデータを採ろうと、気を取り直してレース2に臨みました。スタートしてすぐにペナルティを消化したので、順位的にはこんなものかな、とおもいますが、速さでは充分な手応えがありました。ドライブスルーペナルティで40秒ほどロスしたと考えると、充分に表彰台へ狙えたんじゃないか。そう考えると一層悔しいのですが、その分、次回(の富士ラウンド)に向けて手応えを掴むことができました。次回はまた表彰台に登れるよう、頑張ります」
- ドライバー/#39 国本 雄資
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「レース1もレース2も、スタートが上手くなかったですね(苦笑)。レース1では何とかポジションをキープしたんですが、2周目にアンドレ(・ロッテラー選手)に抜かれてしまいました。レース2ではスタートで一つポジションダウンしただけでなく3周目にはジェームス(・ロシター選手)に抜かれてしまったので、早めにルーティンのピットインをすることにしました。ピットインではチームが最高の仕事をしてくれましたが、ピットアウトしたのが平川君(亮選手)の後ろになってしまいました。上位を狙うためには1周でも早く(平川選手を)抜きたかったんですが、随分手間取ってしまいました。結局彼を抜くのに手間取ってしまったことで、大きくポジションを挙げることなくチェッカーになってしまいました。2レースともに入賞してポイントを稼ぐことができたのは良かったと思いますが、本当ならもっと上(のポジション)でゴールできていた。そう思うと悔しいです。次も富士が舞台なので、予選から頑張って、決勝レースでもスタートを上手く決めて上位入賞したいです」
- 監督/立川 祐路
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「38号車の石浦(宏明選手)は、1レース目がすべてでしたね。あの接触でペナルティを課せられてしまい、1レースだけじゃなく2レースも可能性を失ってしまいました。2レース目のレースラップを見てみるとトップグループとそん色ないペースで走ることができていたので、ペナルティさえなければ表彰台に入っただろうな、と。もったいなかったですね。39号車の国本(雄資選手)は、せっかく前の方のスターティンググリッドに着いていながらスタートで出遅れてしまいました。これももったいなかったですね。セッティングのせいなのか、2台ともに1台きりで走っていると良いペースで走れるのですが、前を行くマシンをパスするのは簡単じゃなかったようです。ポテンシャルを結果に繋げることができずに残念な週末になってしまいました。でも、今回得たデータで、次回(7月のシリーズ第3戦)の富士までに、もっともっとクルマを速くして、是非とも2人揃って表彰台に立ちたいと思っています」
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