INGING MOTORSPORT

SUPER FORMULA 2014年9月14日 <決勝>

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予選  ▶ 決勝
天候:晴れ | コース状況:ドライ
 
#38 石浦 宏明 8位 / #39 国本 雄資 2位

 九州はオートポリスで行われたSUPER FORMULAのシリーズ第5戦。レース距離を通常の250kmから1割強短縮し、約220kmを燃料補給なしで走りきる、新たなレースパッケージでの戦いとなった。P.MU/CERUMO・INGINGの2台をドライブする石浦宏明と国本雄資、公式予選で明暗を分けた2人のドライバーは肉体的にも精神的にもタフなレースを戦い抜き、フロントローからスタートした国本が2位表彰台を獲得。14番手からスタートでジャンプアップした石浦も8位入賞を果たして1ポイントをゲットした。

 公式予選が行われた土曜日に引き続いて、決勝レースが行われる日曜日も好天に恵まれた。2輪ロードレースのウォームアップ走行に続いて、午前9時半からはスーパー・フォーミュラのフリー走行が行われ、さらに30分間のフリー走行セッションが終了した後に、スタート練習も行われている。厳しいと予想されていた燃費に関しては、このセッションのデータから1分30秒台後半から32秒台で周回すれば、途中で燃料補給することなくレースを走りきれる、と確認できた。ただしレースがスタートしたら、燃費とタイヤをマネージメントしながら先を急ぐ、ドライバーにとってはタフなレースとなることは充分予想できた。

 午後3時少し前に決勝レースの公式スタートが切られた。この時点での気温と路面温度は、それぞれ25℃と36℃。路面はもちろん、完全なドライコンディションだった。そこから緩やかに低下してチェッカーフラッグが振られた時点では23℃と30℃まで低下していたが、タイヤに厳しい状況には変わりなかったようだ。フロントロー、2番手グリッドからスタートした国本は、ポールシッターの山本尚貴選手の伸び足が鈍ったのをよそ眼にスタートダッシュでこれをかわしてトップに立つ。ただしその直後、インに着けて1コーナーへとアプローチ、ブレーキングしたものの意外にも路面がバンピーで少しタイムロス。その間にアウトからアンドレ・ロッテラー選手の先行を許してしまった。ロッテラー選手に喰らいつく格好で、その後しばらく周回を続けた国本だったが、1~2秒の間隔はそれ以上に詰まることもなければ、反対に引き離されることもなかった。ピットインしてタイヤを交換したりガソリンを補給することがない以上、レースは単調なものになる。少なくとも外から見ている限りはそう映る。実際、レースが中盤に入るとトップを快走するロッテラー選手と、2位に着けた国本のギャップはじわじわ拡がっていった。実はタイヤが厳しくなり、国本はロッテラー選手のペースについていけなくなっていたのだ。終盤には後方からジョワオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が猛追してきたが、何とかこれをしのいだ国本は2位でチェッカー。3位入賞したシリーズ第2戦の富士以来となる表彰台をゲットした。

 一方、14番手と後方のグリッドからスタートした石浦は、混乱する上位陣の間をすり抜けるようにして一気に8位までジャンプアップしてオープニングラップを終えることになった。そこからは、国本がレースを通じて2位のポジションをキープしたように、石浦もまた、8位のポジションをキープすることになった。登りのコーナーが連続するセクター3では、前を行くマシンに必要以上に接近することは難しく、結果的にストレート先の1コーナーでパッシングすることは無理がある。燃費とタイヤのマネージメントに配慮しながらも、何とか前を行くマシンを捕らえようとした石浦は、レース終盤には猛プッシュしたものの結局最後まで、ポジションを変えることは叶わなかった。それでもスタートでジャンプアップしたことで8位でチェッカーを受け、2位の国本ともにダブル入賞を果たしている。

 外から見ているだけでは単調に映ったレースだが、実はドライバーは肉体的にも精神的にもタフなレースを戦っていたのだ。それ以上にマシンのポテンシャルが高まっているのが心強い。シリーズも菅生と鈴鹿、残り2戦となったが、必ずや2人揃って表彰台、しかもどちらかが真ん中に立つ。そんな予想が一層確実なものとなる、手応えを掴んだオートポリスでの1戦だった。

 

2014年Round5 決勝ドライバー/#38 石浦 宏明

 「今日のレースはある意味、スタートがハイライトでした。走り始めてしまうと、最終コーナーで近づけないからペース(ラップタイム)が1秒2秒速くても抜くことは難しい。レース終盤、残り15周辺りからどこまで近づけるかプッシュして見ましたが、コントロールライン上でコンマ9秒差まで近づくのがやっと、でしたね。もうオーバーテイク(システム)も使い切ってしまいました。だからスタートでジャンプアップできたのが大きかった。スタートポジションを考えたら、やれることはやった、と思います。その分、昨日のミスが残念だった。ちゃんと予選で最後まで戦っていたら、もっと上位のグリッドからスタートできたはずで、今日のようなスタートが切れれば表彰台の真ん中も見えてくる。だから気持ちはとてもポジティブです。チームとしても第2戦の富士以外では全戦で表彰台を奪っています。次回の菅生は得意なコースなので、是非とも優勝を狙いたいですね」

 

2014年Round5 決勝ドライバー/#39 国本 雄資

 「今回はピットインがないのでスタートがすべて、と思っていました。ポールの山本選手が出遅れるのをかわしてトップに立ったんですが、インに着けてブレーキングしたら少し路面がバンピーで…。そこでアンドレ(・ロッテラー選手)にアウトからかわされてしまいました。それでも最初は何とかついていくことができましたが、最後は離されてしまいました。特にセクター3でタイヤが厳しくて。JP(ジョワオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)にも詰め寄られてしまい厳しいレースになりましたが、何とか逃げ切ることができました。良いクルマを用意してくれたチームに感謝しています。燃料的に厳しいレースになると予想していましたが、それは大丈夫でした。でも、タイヤは予想通り厳しかった。ここはF3時代から、あまり良い思い出がなかったのですが、今日は表彰台に立つことができて感激しました。富士で3位、今回2位ときたので、残る2戦、菅生と鈴鹿では優勝を狙っていきます」


2014年Round5 決勝監督/立川 祐路

「39号車(国本雄資選手)はキチンと最後まで走って2位入賞を果たすことができました。レース終盤にはアンドレ(・ロッテラー選手)の速さにはちょっと手が出なかったけど、序盤は良い勝負でついて行けた。チームとしては表彰台の常連になってきました。一方、38号車(石浦宏明選手)は、スタートでジャンプアップして8位入賞。予選のミスを取り返すことができました。周囲を見てもそうですが、今回のレースではなかなか簡単にオーバーテイクはできませんでした。でもクルマはもっと良いペースで走れたようです。結果的に2台とも入賞してポイントを得ることができ、良い週末になりました。残り2戦では優勝を狙っていきます」

 
 
 
 

 

RACE CALENDER

  • ▶ R1 SUZUKA 4/12-13
     
  • ▶ R2 FUJI 5/17-18
     
  • ▶ R3 FUJI 7/12-13
     
  • ▶ R4 MOTEGI 8/23-24
     
  • ▶ R5 AUTOPOLIS 9/13-14
     
  • ▶ R6 SUGO 9/27-28
     
  • ▶ R7 SUZUKA 11/8-9
     
  • 2013年のREPORT
  • 2012年のREPORT
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