SUPER FORMULA Rd6 SUGO 2014年11月9日 <決勝>
- ▶ 予選 ▶ 決勝
- 天候:雨 | コース状況:ウェット
- 第1レース #38 石浦 宏明 5位 / #39 国本 雄資 4位
- 第2レース #38 石浦 宏明 7位 / #39 国本 雄資 リタイア
フォーミュラの聖地、鈴鹿サーキットを舞台に2レース制で戦われたSUPER FORMULAの最終戦は、2レースともにウェットコンディションに見舞われた。レース1では何度かアクシデントもあって一度はセーフティカーが導入される荒れた展開となった。P.MU/CERUMO・INGINGの38号車をドライブする石浦宏明と、39号車で挑む国本雄資のドライバー2人は、レース1では国本、石浦の順に4~5位でダブル入賞を果たしたが、レース2では石浦が7位で2戦連続での入賞を果たしたものの、国本はダンロップ・コーナーでグラベルにつかまり、レースを終えることになった。
公式予選が行われた前日は、雲が空を覆っていたものの、完全なドライコンディションに終始していたが、決勝日となった日曜、鈴鹿サーキットは雨に見舞われた。シーズン最終戦となる今回は、日曜日に2回、決勝レースを戦う2レース制で行われたために、通常のフリー走行はなく、朝一番で行われたサポートレースの決勝に続いて、午前10時10分にはレース1のフォーメーションラップがスタートすることになった。ただしグリッドでエンジンをストールさせてしまったマシンがありスタートディレイとなる。すべてがリセットされ10時20分過ぎに2度目のフォーメーションラップがスタート、1周回ってきた後に、レース周回数が19周に1周減らされて正規のスタートが切られた。
ともにスタートが得意と言っていたP.MU/CERUMO・INGINGの2人のドライバーだったが、3番手グリッドからスタートした国本資は、斜め後方から抜群の好ダッシュを見せたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手に先を越され、彼に牽制されている間に背後からスタートしたロイック・デュバル選手にもパスされてしまう。またエンジン交換で10グリッド降格するマシンがあったために6番手グリッドからスタートすることになった石浦宏明も、直後から好ダッシュを見せた塚越広大選手の先行を許してしまう。結局、国本が5番手、塚越選手を挟んで石浦は7番手でオープニングラップを終えることになった。しかし3周目にはシケインでミスした塚越選手をパスして石浦は6番手に復帰する。さらにスタート違反でペナルティを課せられたマシンがあり、国本は4番手、石浦は5番手にポジションアップした。
4周目に入った頃から少し雨脚が強くなり各車ペースが落ちてくる。さらに10周目に130Rでクラッシュしたマシンがありセーフティカーがコースイン。これで各車のギャップはリセットされるが再スタート後もトップ3のペースには届かず結局、国本~石浦の順に4~5位でチェッカー。ダブル入賞となったがタフな内容では喜んでもいられない。さっそく午後のレースに向けさらなるセットアップを試みることになった。
レース2は午後3時にスタートした。各車がダミーグリッドに整列した段階では雨は小止みとなっていたが、もちろんコースは完全なウェットコンディション。全車レインタイヤでスタートしたために、ドライタイヤでは必須とされていたピットインしてのタイヤ交換は必要なくなり、レース1より少しだけレース距離が長くなったものの、やはり通常よりは短距離でのスプリントレースとなっていた。
それぞれ4番手と5番手のグリッドからレースを始めた国本と石浦は6番手、7番手と、スタートでポジションをダウンさせていた。さらに石浦は、ナレイン・カーティケヤン選手にも先行を許し、8位でオープニングラップを終えていた。国本は直前を行く平川亮選手を、石浦はカーティケヤン選手を、それぞれパッシングすべく、何度も何度もプッシュし続けたが、やはり簡単に抜くことはできずにレース中盤を迎えた。
前を行く平川選手を猛プッシュ。13周目のシケインで仕掛けた国本は、平川選手の前に出ることに成功した。しかし、この時点でオーバー・テイク・システム(OTS)を使いきっていた国本は、14周目に入るストレートで、1回分だけ残していたOTSを使った平川選手に並ばれ1コーナーまでに先行されてしまう。なおも猛プッシュしていた国本は2コーナーでスピン。すぐにレースに復帰したものの、ポジションを大きく落としてしまい、さらにダンロップ・カーブでスピンしてグラベルストップ。ここでレースを終えることになった。 国本に代わって6位につけることになった石浦だが、やはりペースを上げることができず、苦戦。さらにミスもあって山本尚貴選手にかわされ7位にポジションダウンしてしまう。その後もオーバーステアと格闘し続けた石浦は、それでも何とかここで踏みとどまり、チェッカー。7位入賞を果たすことになった。
ドライバーにとってもチームにとっても、フラストレーションの溜まる最終戦となった。ドライコンディションではトップと同等以上のパフォーマンスを発揮できるようになったが、ウェットコンディションでは後れをとった格好だ。だがドライコンディションでそうだったようにウェットコンディションでもポテンシャルを引き上げよう。チームのそんな意志は明確に感じられた。悲願だったシリーズ戦での初優勝もお預けとなったが、来シーズンこそは…。期待を高めつつ、そしてファンの皆さんには今シーズンのご声援に感謝しつつ、新たなシーズンの開幕を待つことにしよう。
ドライバー/#38 石浦 宏明
「今日は2レースともに、スタートが今一つでしたね。しかしそれよりもクルマの状態が厳しかった。ドライコンディションでは間違いなくトップレベルにまで来たのですが、ウェットではまだまだでしたね。特にレース2では防戦一方で、思ったようなペースで走ることができなかった。本当にフラストレーションの溜まる内容になってしまいました。クルマが一新されたのに、レインコンディションではほとんどテストできていなくて、正直、手探り状態でやってきました。今後の課題として、レイン状態での速さを引き上げて、ライバルと互角以上の戦いができるようにしたいですね」
- ドライバー/#39 国本 雄資
「雨の中ではクルマの状態が、あまり良くなかったですね。レース1では散々だったので、インターバルで少し手を加えてもらって、レース2では少し改善されていましたが、まだまだ厳しかった。それに平川選手を抜くタイミングを見計らっていた時にミスもあってスピンしてしまい、さらにダンロップコーナーでもミスからグラベルストップしてしまいました。クルマの面、特にウェットコンディションでのセットアップをもう一度見直す必要があると感じました。それがこれからの大きな課題だと思いましたね」
- 監督/立川 祐路
「ウェットコンディションでは厳しかったですね。トップのマシンには、スピードでちょっと差をつけられてしまいましたね。それでも、チームとしての力、マシンのポテンシャルは着実にレベルアップしてきたと思っています。ドライではもう、充分にトップで争える、優勝も充分狙えるところまできています。でもウェットではねぇ…。確かにウェットは、温度だけでなく雨の量によっても状況が変わってくるから、セットアップを仕上げて行くのは難しいところがあります。来シーズンは、その辺りをテーマに、またもう一段レベルアップできるよう頑張ります。1年間、応援していただきありがとうございました」
- 第2レース #38 石浦 宏明 7位 / #39 国本 雄資 リタイア